「劇ヱヴァ:破」 北米でDVD・BD発売に先駆けてVOD配信

 2011年に、日本の劇場アニメの視聴が北米で拡大しそうだ。1月4日、米国の日本アニメ流通会社ファニメーション(FUNimation Entertainment)とアジアン・メディア・ライツ(Asian Media Rights (AMR))は、ファニメーションが北米ライセンスを持つ劇場映画のオンデマンド配信で提携合意したことを明らかにした。今回の事業提携で、『サマーウォーズ』や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』といった人気作品が、ビデオ・オン・デマンドでアクセス出来るようになる。
 AMRはマイケル・ホン氏とデイビット・チュ氏によって設立されたアジアエンタテイメントに特化したベンチャー企業である。ふたりは日本アニメの放映も行なったImaginAsian Entertainmentでの経験が長い。ARMではアジアの映画やイベントを、ビデオ・オン・デマンドを中心としたデジタルプラットホームで配信する。今回は日本のアニメと映画に事業特化するファニメーションと提携することで作品ラインナップの充実を目指す。

 ファニメーションは、北米最大の日本アニメの流通会社として知られる。数多くの人気タイトルをDVD・Blu-ray Discで発売し、ライセンス事業やテレビアニメ、OVAなどの放送・配信も行なう。
 しかし、劇場作品の配給や有料配信事業は弱い部門であった。AMRと提携することで、劇場映画の有料配信やプロモーションを強化することが出来る。
 米国では、近年、クランチロールやHuluなどを利用した日本アニメのインターネット配信が拡大している。しかし、こうした配信には映画作品がほとんど含まれていない。長尺の劇場アニメは、無料配信とビジネス的に相性がよくないためとみられる。一方、日本の劇場アニメは北米では劇場公開されることが少ない。ARMはこうしたビジネスの空白を埋めることになりそうだ。

 配信タイトルには既に北米公開が始まっている2つの劇場アニメ『サマーウォーズ』や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が含まれる。さらに日活とファニメーションの共同事業による「The Sushi Typhoon」の実写映画『エイリアンvs忍者』や『戦闘少女 血の鉄仮面伝説』なども配信する。「The Sushi Typhoon」は、日本のホラー映画やSF、アクション、スプラッタームービーに特化したブランドである。ARMのジャンル映画重視の姿勢が窺える。
 第1弾タイトルには『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が選ばれた。これは本年3月29日に予定されている『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE』のDVD、BDの発売に先立って開始する。映像パッケージより配信事業、北米のビジネスモデルの変化も現れていそうだ。

Asian Media Rights http://asianmediarights.com/
ファニメーション(FUNimation Entertainment) http://blog.funimation.com/