経産省 2020年海外コンテンツ売上げ2~3兆円目指す

 12月22日に開催された経済産業省の研究会 第2回クール・ジャパン官民有識者会議にて、同省が2020年までに目指す関連産業の海外売上高の規模が明らかにされた。
 経済産業省によれば2009年の日本を除いた世界主要18ヶ国の文化産業3分野(ファッション、食、メディア・コンテンツ)の市場規模は、およそ464兆円、これが2020年にはほぼ倍の932兆円になると見込む。このうち日本企業の売上高で8兆円から13兆円、シェアで0.9%から1.4%の獲得を目指す。また、観光を含めたより広い範囲の目標では、12兆円から17兆円を目指す。
 2010年の日本の文化産業海外売上高は、ファッション、食、コンテンツで3.2兆円と推計しており、2020年には金額ベースで2.5倍から4倍を目指すことになる。ただし、これは海外展開拡大の戦略立案のための目標規模である。このため目標値には幅が持たされており、今後の検討過程において変更される可能性もある。

 また、今回ファッション、食(外食・食品)、コンテンツ産業別の現状と目標規模も示された。現在の日本のコンテンツ産業の海外売上高は、経済産業省の試算で7000億円、2020年にはこれを2兆円から3兆円まで拡大する。2020年の日本を除く世界のコンテンツ産業市場は42兆円としており、このなかで4.7%~7.1%程度のシェアを狙うことになる。コンテンツ産業には、音楽、アニメ、映画、放送番組、マンガ、出版、ゲームなどが含まれる。
 一方、ファッションは現状3000億円を2兆円から4兆円、食では2.2兆円を4兆円から6兆円といった数字が示されている。現在の売上高の7倍から13倍という大きな目標規模が設けられたファッションにとりわけ大きな期待が掛かっていることが理解出来る。

 こうした目標規模は伸び率が小さな食分野でも1.7倍から2.7倍とかなり大きな数値となっている。しかし、この考え方のベースには世界市場自体が10年間で2倍になることが念頭に置かれているとみられる。現状のシェアを維持するだけで2倍、さらにクール・ジャパン戦略でシェアの拡大することで実現する計画だ。
 実際には世界各国の市場規模と市場成長率には歪みがあり、これに対応しなければいけない。成長率の高さで考えれば年率11%成長を予想する中国とインド、10%成長のブラジルが重要となる。ただし、市場規模では2020年でもインドはイタリアやドイツ、フランスと同程度の49兆円である。市場規模では233兆円の米国、228兆円の中国、83兆円のブラジル、主要5カ国で210兆円の西ヨーロッパ向けの戦略が必要となる。とりわけ現在の3倍、米国と同程度の市場となる中国向けの戦略が今後浮上しそうだ。

 しかし、コンテンツ産業に限れば、異なった戦略が見えてくる。2020年になっても、中国のメディア・コンテンツ市場は2.5兆円、世界の5%程度に過ぎない。一方で、米国のそれは全体の4割およそ17兆円に達する。コンテンツ産業の海外売上高拡大は米国、次いで西ヨーロッパが視野に入って来る可能性が強い。
 ただし、米国に輸出されている主要なコンテンツであるアニメ、マンガ、ゲームが、現在は現地で劣勢を強いられてことは業界関係者には広く知られているところだ。今後は、こうした中からどの様に攻勢をかけていくかが問われるだろう。

経済産業省 http://www.meti.go.jp/