業界8社アニメの大型イベント開催 アニメフェアと同日に 

 12月28日、アニメ関連8社は、来年3月26日と27日の2日間、千葉・幕張メッセでアニメをテーマにした大型イベント「アニメ コンテンツ エキスポ」を開催することを明らかにした。イベントの準備委員会には、アニプレックス、アニメイト、角川書店、キングレコード、ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン、フロンティアワークス、マーベラスエンターテイメント、メディアファクトリーの各社が名を連ねる。
 発表によれば今回のイベントは、12月15日に可決した東京都青少年健全育成条例改正に反対するものである。東京都青少年健全育成条例改正は、アニメーション・漫画を対象に、性表現、暴力表現性表現、暴力表現、もしくは青少年の成長を阻害する表現のある作品の販売を規制することを目的としている。規制の範囲や方法が曖昧なことから、これらが事実上の検閲となり表現の自由を規制しかねないとマンガ関連など多くの団体やクリエイターから反対が表明されている。

 今回、準備委員会に名を連ねた企業は、石原慎太郎東京都知事が実行委員長を務めることを理由に東京国際アニメフェア2011の参加中止を表明する。そのうえでその代替イベントして「アニメ コンテンツ エキスポ」を開催する。このうち角川書店はマンガ出版の有力10社から構成する任意団体コミック10社会として、東京国際アニメフェアの参加中止を既に表明していた。残りの7社は新たに中止を決めたことになる。発表によれば「アニメ コンテンツ エキスポ」は、東京国際アニメフェアの参加中止で発表出来なくなった2011年春から夏にかけての新作を発表する場となる。
 開催日の3月26日と27日は東京国際アニメフェア2011と同日となっている。同日に開催することで、アニメフェアで予定していたイベントなどのスケジュールをそのまま移管することが可能になる。また、同日に開催する東京国際アニメフェアに対抗する意図もあるかもしれない。準備委員会は「志を同じくする各企業の輪を広げ、実施内容の充実を図ってまいります」としており、今後も新たな参加企業を募るとみられる。

 これまで東京国際アニメフェアは、春から夏にかけての新作紹介の場として機能してきた。しかし、アニメフェアの参加を中止で、2011年はそれが出来なくなる可能性があった。そこで出版社の協力も得られる場として本イベントが設けられたことになる。実際に準備委員会の参加企業の多くが映像パッケージの販売企業であり、宣伝を担う企業であることからも、「アニメ コンテンツ エキスポ」が新作紹介の場を意図していることが分かる。
 一方で、東京国際アニメフェアは、運営受託をしている日本動画協会が12月21日に実質的に実行不能な状態であることを明らかにしている。それでもこのまま開催が行なわれれば、依然参加する企業も少なくないと見られる。その場合は、ふたつの大型アニメイベントが同日に並列するかたちになる。

 また、企業の大多数が「アニメ コンテンツ エキスポ」に向かった場合は、クリエイターズワールドなどの人材育成分野、見本市などのビジネス分野、東京アニメアワードなどの顕彰分野が東京国際アニメフェアに残されて集客などで厳しい状態になりそうだ。コンシュマー向けイベントが中心の「アニメ コンテンツ エキスポ」に、そうした分野が入る余地は現状では見られないためだ。
 いずれにしても現状で、東京都が青少年健全育成条例改正を撤回するなんらかの手段を取る可能性は少なく、ファンにとっても企業にとっても不幸なアニメイベントの分裂状態は避けらそうがない。