23年度経産省予算案 クールジャパンに11.5億円 コンテンツ産業強化は4割減

 12月24日、平成23年度の国の予算案が閣議決定された。次年度の予算の骨格はほぼ定まり、予算案は今後開かれる国会の議決を経て成立する。このうちコンテンツ産業関連などの予算が計上されている経済産業省の予算案も閣議決定しており、次年度のコンテンツ産業に対する政策の行方も見えてきた。
 コンテンツ関連の予算で大きなトピックは、クールジャパン戦略推進事業として今回新たにおよそ11億5000万円が計上されたことである。概算要求は14億円だったが、このうち8割強が認められたことになる。クールジャパン戦略推進事業は製造局クールジャパン室の所菅で、クールジャパンと呼ばれることもある日本の価値観を世界に向けて発信し、産業活性化に結びつけることを目的とする。
 産業領域は、ファッション、高機能家電、マンガ・アニメ、食材や医薬品、プロ向けの専門用具(デザイン)、伝統文化・匠の技術などが含まれている。従来、大きく取り上げられてきたコンテンツ産業よりさらに広い分野が、文化的価値観を核とした産業として括られている。
 計上された予算のうちおよそ10億円あまりを、業種を超えた企業グループが行う海外展開活動の支援に使う。また、1億4000万円は、海外進出するクリエイティブ企業の育成、クリエイティブ企業と製造業とのビジネスマッチングなどを目的としたものだ。

 一方で、従来、商務情報政策局文化情報関連産業課で行われて来たコンテンツ産業強化費は大幅な減額となった。コンテンツ産業強化対策支援事業とコンテンツ産業人材発掘・育成事業で平成22年度におよそ18億円あった予算は10億4000万円とおよそ4割減となる。
 これは行政刷新会議での事業仕分けの減額の通告も反映したものだ。概算要求ではコンテンツ産業強化対策支援事業に9億円とコンテンツ産業人材発掘・育成事業に5億円の要求を行ったが、それぞれ8億6500万円、1億7600万円となった。特に若手クリエイターの短編映像制作を支援、若手プロデューサーに海外長期研修機会の提供を掲げた人材分野の予算が大きく削られたかたちだ。これはクールジャパン戦略推進事業にも若手クリエイター育成の目的が含まれていることから、事業の重複を避けたとの見方も出来る。
 また、国内電子出版のインフラ整備や書籍データのアクセス環境整備を目指し新規に要求していた知財ビジネス実証事業の2億円の予算化は認められなかった。

 今回の予算案により、コンテンツ産業強化対策支援事業はコ・フェスタ(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)の海外展開支援を停止する。また、若手映像制作支援事業も大幅に縮小するとしている。
 一方で、平成23年度には引き続き各業界の国際見本市を支援し、さらにコンテンツ産業の海外展開を支援する海外拠点を設置する。また、アジア地域での産業協力を推進する。調査統計の整備や国際共同製作の推進を目指した日中韓文化コンテンツ産業フォーラムの開催、アジア・コンテンツ・ビジネスサミットの開催、日中共同開催の映画・ドラマ週間、アニメフェスティバルを目指す。
 平成23年度の経済産業省の予算案から見えて来るのは、コンテンツ産業の情報発信と産業振興の振り分けだ。これまでコンテンツ産業強化のなかで行われて来たコンテンツの海外発信事業は、ファッションや食、デザイン、伝統産業と結びつくことで、より大きな枠でクールジャパン戦略事業に移される。コンテンツ産業強化は、ビジネスマッチングなどにより特化したものになるとみられる。

経済産業省 http://www.meti.go.jp/