伊藤忠 マンガ実写化狙い米国映画会社に出資

 伊藤忠商事はハリウッドの有力映画会社のコミック・ブック・ムービース(CBM)と業務提携を行い同社株式の10%を出資することを決定した。伊藤忠商事によれば、今回の業務提携の目的は、ハリウッド映画の日本市場でのマーチャンダイジングビジネスである。
 CBMは米国などのコミックや日本のマンガ・アニメを原作とした実写映画製作を行っている。既に昨年暮れには、両社共同で石ノ森章太郎氏のマンガを原作にした実写映画の製作を発表している。今回はこうしたこ共同事業をより確かにする目的があると考えられる。

 CBMはバットマンシリーズのエグゼクティブ・プロデューサーであるマイケル・ウスラン氏とエンタテイメント・ファイナンスの専門家ジョナサン・ロバーツ氏が設立した。もともとCBMは、『バットマン』シリーズや『コンスタンテイン』などのアメリカンコミックの実写映画化に強みを持っている。
 米国でもここ数年、実写映画の原作としての日本マンガに注目が集まっている。それに加えて日本マンガの米国市場での売上高が既にアメリカンのコミック市場全体の半分近くにまで成長してきたことなどから、マンガに対するビジネス的な関心も高まっている。
 こうしたことからも、今回の伊藤忠とCBMの狙いには、先の石ノ森章太郎氏(故人)のマンガや日本のマンガ・アニメコンテンツのハリウッドでの実写映画化をさらに進めるものだと言えそうだ。

 伊藤忠商事は総合商社のなかでも、コンテンツ事業に熱心なことで知られている。これまでも米国のコンテンツ関連企業では、事業提携をするタイムワーナーやその関連会社であるカートゥーンネットワークなどとアニメーション事業を行っている。日本のカートゥーンネットワークは、同社とタイムワーナー社の合弁会社である。
 また、インディーズーアニメに力を入れるコミックスウェーブに出資しているほか、『仮面ライダー』や『サイボーグ009』などで知られる石森プロダクションと石ノ森章太郎氏の作品の版権を管理する合弁会社石森エンタテイメントも運営している。
 今年に入って総合商社によるコンテンツ関連企業への買収や投資が相次いでおり、そうした中で伊藤忠は、さらにコンテンツ事業を積極的に進めていくようだ。