任天堂が劇場アニメに進出?

 任天堂の山内溥相談役は劇場用アニメ制作に進出する意向を示している。これは、9月29日に小倉百人一首文化財団の関連施設地鎮祭の記者会見で同相談役が発言したものである。同相談役によると10月に行われる経営会議にこの方針を提案する意向だとしており、記者会見ではアニメの題材は小倉百人一首から取られ、任天堂がリスクを負うとの発言もあった。

 任天堂は、ゲーム機器メーカーとして80年代に国内シェア90%にまで達するほどの圧倒的な力を誇った。しかし、現機種のゲームキューブは世界のゲーム機市場でソニーのプレーステーション2に大きく遅れを取り、マイクロソフトのXBoxにも後塵を拝し市場占有率第3位になっている。これまで市場をほぼ独占してきた携帯用ゲーム機市場でも、先頃の東京ゲームショウにおいてライバルのソニーが対抗機種PSPの発表を行うなど守勢に立たされるなどビジネス面での停滞感が強い。
 一方で、7千億円を越える未利用のキャッシュフローには存在がある。外国人株主も多い任天堂にとっては、有効活用されていないキャッシュフローの存在は、株主からの配当増額要求や有効活用のために投資を求めるプレッシャーになっているだろう。

 正式な発表でないとはいえ、任天堂がアニメの製作に乗り出すとすれば、ビジネスの多角化やキャシュフローの有効利用という面では意味がある。しかし、ゲーム会社のアニメ製作進出といえば、かつて、スクウェアが巨額の資金を投じアニメ版『ファイナルファンタジー』を製作したが興行的に振るわず、その後スクウェアが、ソニーの傘下に入る遠因となったことが思い出される。ゲーム業界の巨人である任天堂といえどもポケットモンスター以外のアニメは未知の分野である。もし、アニメ製作に乗り出すのであれば入念な準備が必要とされるだろう。