シンガポールはアジアのハブ AFAXから見えてきた世界

シンガポールはアジアのハブ
AFA X(アニメーションフェスティバル・アジア2010)から見えてきた世界

柿崎俊道

11月12日~14日までシンガポールのSuntec Convention Centerにて「AFA X(アニメーションフェスティバル・アジア2010)」が開催された。主催は電通シンガポール、SOZO。
AFA Xは今年で3回目を数え、日本のコンテンツをメインに据えた東南アジア最大級のイベントだ。会場内はコンサートやフォーラムが行われるステージエリア、物販や小規模なイベントが行われるフェスティバルホールのふたつに別れる。昨年の入場者数は1万5000人。今年は昨年よりは若干増えて1万6000人になると主催者はみている。

11月12日、ステージエリアでは世界的なオタクのカリスマ、ダニー・チューさんが総合司会となり、「クール・ジャパン・フォーラム」が行われた。日本のコンテンツ産業の発展をシンガポールに向けてアピールするという内容。基調講演は秋元康さんの「AKB48 – A New Format of Idols(アイドルの新定番)」。「コンテンツは虫めがねと同じ。焦点を絞るほどに発火しやすくなる」と自身の考えとAKB48の発展を説明した。個人的にひじょうにわかりやすく感銘を受けたスピーチであった。
会期中に行われたコンサートの参加者は次のとおり。AKB48、ミルキィホームズ、JAM PROJECT、水木一郎さん、花澤香菜さん、angela、SCANDAL、May’nさん。
13日、14日はフェスティバルホールも開かれ、物販・イベントが行われた。キャラクターグッズ販売のほか、メイド喫茶「MMK」(萌え萌えキュン・カフェ)、執事喫茶「アトリエ・ロワイヤル」も営業し、来場者は長蛇の列を作っていた。
また、Suntec Convention Centerのホール内の空きスペースを利用して、コスプレ撮影会も開催。おそらくゲリラ的に使っているものと思われるが、空いているならいいじゃない、というアジア的なおおらかさがそこにはあるようだ。

AFA Xの主催者のひとりであるショーンさんは次のように語る。
「シンガポールは治安がよく、経済的にも発展していて、アジアのハブともいえる存在です。この場所でアニメーションフェスティバルを開くことで、アジア各国から人が集まりやすくなります」

シンガポールから飛行機で3時間で行ける範囲には、マレーシア、タイランド、カンボジア、ベトナム、ブルネイ、インドネシアがある。
5時間に範囲を広げれば、インド、中国、香港、フィリピン、オーストラリア、ミャンマー、ラオスと国の数は倍増する。
シンガポールに足を運んではじめて実感したのだが、東京よりは物価は安く、だが、同じように安全。なおかつ、英語が公用語として使用されているため、意思の疎通がしやすい。アジアの親しみやすいリゾート地としてシンガポールは確固たる地位を築いているのだ。
それは「AFA’s Regional Cosplay Championship」でタイランド、マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポールの5カ国のコスプレイヤーがノミネートしているのを見ても、なるほどアジアのハブだ頷ける。
AFA Xが盛り上がっているといっても、日本のコミックマーケットや東京国際アニメフェアなどにくらべたら規模、人数は足元にも及ばない。ただ、アジア圏内を見据えた伸びシロを考えたとき、AFA Xには期待が持てる。ローコストキャリア(LCC)の広まりもあわせて考えれば、今後、クールジャパンを下地にした、だけどまったく異質のサブカルチャーが発展する可能性がある。とくに日本より、ひと世代は若いコスプレイヤーたちを撮影しながら、そのように強く思ったのである。

AFA X(アニメーションフェスティバル・アジア2010)
http://www.animefestival.asia/