コンテンツ見本市 TIFFCOM 国際ビジネススタート

 10月25日から東京・六本木ヒルズ森タワーにて、国際コンテンツ見本市のTIFFCOMが始まった。TIFFCOMは東京国際映画祭に併設するコンテンツマーケットで、主に映画やテレビ番組といった映像コンテンツの取引を行う。今年で7年目を迎えるが、その規模は年々拡大している。
 2010年はこれまでの開催3日間に、スクリーニングを中心とした1日を加えた4日間に延長している。25日がこれにあたる。そして26日からは、企業同士の直接取引の場となるマーケットがスタートした。

 初日のマーケットは、例年に較べてもかなり賑やかな印象を受けた。午前中はスロースタートであったが、午後からは各国のビジネス関係者が多数会場を訪れた。会場に設けられているミーティングスペースの多くが利用されており、空いている場所を見つけるのが大変なほどだった。かなり多くの商談が行われている様子だった。
 また、本年のマーケットの特徴は日本企業だけでなく、海外からの出展が目立ったことである。近年、TIFFCOMでは、アジアの近隣諸国からの出展が増えている。本年はその傾向が一段と強まった。TIFFCOM事務局によれば、これは各国の関連団体へのセールスを強化し、ナショナルパビリオンを誘致した成果だという。この中には中国、タイ、台湾、マレーシア、韓国、フィリピンなどがある。そうした海外からの出展企業ブースも、かなり賑わいであった。海外から日本に来たバイヤーが日本以外の国のコンテンツを買うケースもありそうだ。
 今後、これらの団体が継続出展するかによるが、この傾向を持続出来ればTIFFCOMが日本だけでなく、アジアコンテンツの情報発信の場になれる可能性もある。現在、日本のコンテンツ関連の国際見本市の多くは、日本対諸外国となりがちである。多国間取引を行う見本市の存在は貴重だ。

TPGのミーティングブース

 TIFFCOMで取引されるのは、完成したフィルム・映像だけでない。企画段階の映画・番組のビジネスパートナーのマッチングを行うTPG(Tokyo Project Gathering)も設けられている。
 今回は、昨年まで別フロアーで行われていたTPGをマーケットと同じフロアーに移動した。これによりマーケットのスペースは昨年よりも窮屈になった印象は否めない。しかし、午後からは多くの企画のブースが熱心なミーティングを重ねている様子で、マーケットと併せて活気を感じさせるものとなった。

 アニメについては、東映アニメーション、トムス・エンタテインメント、日本アニメーションといった従来から海外見本市に積極的なアニメ製作会社が、ここでも見られた。また、バンダイビジュアルなどのパッケージメーカーなどもある。しかし、ここでの主役はむしろNHK・NHKエンタープライズやTBS・クレイ、テレビ東京といった放送会社、さらに映画会社などである。アニメの海外セールスはこうした企業に任せられることが多いからだ。
 一方で、面白い動きもある。『秘密結社 鷹の爪団』などで知られるDLEや現在『Cat Shit One』を売り出し中のIDAの出展である。従来からの出展を続けるコミックス・ウェーブ・フィルムなども加えると、アニメビジネスの新たな動きが見えて来る。既存のアニメ制作会社やパッケージメーカー、放送局などを通さずに、自ら直接海外に売るものだ。
 こうした動きが今後さらに広がるかは分からない。しかし、国際見本市の大きな役割のひとつは、これまで取引のなかったビジネスパートナーを見つけるものである。それは既存の大企業よりも中小の成長企業にとってこそより価値のあるものだ。そうした点でこれらの企業はTIFFCOMの場を、十分活用している。

 海外からのバイヤーはアニメではアジアや北米からが中心だった。ヨーロッパからのバイヤーは少ないようだ。これは10月初めにフランス・カンヌでMIPCOMが開催されていることも理由にあるだろう。TIFFCOMの出展企業の多くはMIPCOMにも出展している。ヨーロッパのバイヤーは日本に来ることなく多くの取引が出来るからだ。一方、米国では11月にAFMはあるもののアニメ関連の出展はMIPCOMほど多くない。
 マーケットは26日に始まったばかりのため取引実績の傾向は、見本市終了後に見えて来るだろう。しかし、マーケットの賑わいほどに結果がついて来るかは判らない。映像パッケージやインターネット配信が中心となる米国のアニメ市場は、映像パッケージ市場の縮小とネット配信がスタートアップ段階ということもあり、企業が作品に支払える金額は大きくない。アジアのマーケットも国ごとの市場は大きくないから、こちらもライセンスに支払える上限は見えている。幾つかの取引を積み重ねることで結果をだすことが、日本側の現在のかたちかもしれない。そうした意味でも、短期間にまとまったミーティングが出来る見本市が求められているかもしれない。

TIFFCOM2010  http://www.tiffcom.jp/2010/