動画協会がクリエイターのパイロットフィルム制作支援

 毎年東京国際アニメフェアで行われるアニメーションのクエイエイター発掘プロジェクトCREATOR‘SWORLDが、新たな事業に乗り出す。これまでクリエイターズワールドに参加して来たクリエイターを対象に、新作アニメ企画のパイロットフィルム制作資金の援助をする。パイロットフィルム制作資金の一部を日本動画協会が支援することで、企画の実現を促す。
 このプロジェクト「アニメ・パイロット版作品 制作支援プロジェクト」の発表と、第1回支援作品・クリエイターの紹介が、10月22日東京・秋葉原UDXにて行われた。発表は22日、23日と2日間にわたって開催される東京国際アニメ祭 秋の会場内の特設ステージで、新作アニメに囲まれる中でのものとなった。
 
 今回、支援対象と選ばれたのはFrench curve/児玉徹郎さんの『INTERIOR インテリア』、スタジオアールエフ/ロマのフ比嘉さんの『カナイ』、市川量也さんの『モンスターになったドメリカ』、武藤健司さん/SUGARLESS FACTORY/ホネスタの『化石ドロボウと恐竜石』の4作品である。いずれのクリエイターも過去のクリエイターズワールドに参加した経験がある。同時に、これまでに自主制作だけでなく商業作品の制作でも数多くの成果を残している。
 企画の選考は、まず動画協会がクリエイターズワールド参加経験のあるクリエイターに企画を呼びかけた。そのうえで応募のあった作品の中から実現性や新規性などを基準に4作品を選び出した。動画協会は、4分から5分程度のパイロットフィルムの制作にそれぞれ150万円を提供する。フィルムは2011年2月までに完成させ、3月に行われる東京国際アニメフェア2011にて披露される。

 作品紹介のために登壇したクリエイターたちは、それぞれ自身のユニークな作品の概要を紹介した。児玉徹郎さんの『INTERIOR インテリア』の特徴は3D立体視である。本作で手描きのテーストを残した3D立体視を目指す。これまで2D作品の3D化はペラペラ感があったが、それを感じさせない立体作品となるという。また、1話10分程度1クールから2クール程度との構想も語った。
 市川量也さんはもともとゲーム関係の出身である。しかし、かねてより物語のある作家性の強い作品を目指して来た。今回はパイロットではあるけれど、自身の作品を作れると喜びを見せる。作品は映像の新しさよりも、物語の強さを伝えたいとのことだ。

 ロマのフ比嘉さん、自身の出身地 沖縄を舞台にしたロボットアニメを提案する。これまでの作品とは異なりキャラクターやメカのデザインは他のクリエイターに委ねる。ロマのフ比嘉さんは、より演出に重点を移るようだ。沖縄のきな臭さを描く作品は、第2次大戦以降の沖縄の現実をベースにした。しかし、決して重くならず、女の子がロボットに乗って暴れる子どもたちに向けたアクションムービーとなる。
 武藤健司さんは、教育を取り入れたエンタテイメント作品だ。エンタテイメントとファンタジーだけれど、きちんと監修が入った説得力のあるフィルムで子どもたちに理科の楽しさ伝えるという構想を明らかにした。

 いずれの作品もパイロットフィルムを作り、そこから企画の実現を目指す。実際に動くフィルムが生れることは、企画を夢から現実につなげる一歩となるはずだ。
 過去8年間で89組が参加したクリエイターズワールドのレベルの高さは、アニメーション関係者に広く知られる様になっている。その豊かな才能の集まりから今後何が生れるのか、「アニメ・パイロット版作品 制作支援プロジェクト」は気になる一歩だ。

東京国際アニメフェア クリエイターズワールド 
http://www.tokyoanime.jp/ja/creators_world/
東京国際アニメ祭 秋 2010  http://tiaf.jp/

[支援作品]
 ■ French curve/児玉徹郎 『INTERIOR インテリア』
 ■ スタジオアールエフ/ロマのフ比嘉 『カナイ』
 ■ 市川量也 『モンスターになったドメリカ』
 ■ 武藤健司さん/SUGARLESS FACTORY/ホネスタ 『化石ドロボウと恐竜石』