「俺妹」本編が放映前流出 海外同時期配信の準備で

 この秋からスタートしたテレビアニメシリーズ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の第2話「俺が妹とオフ会に行くわけがない」が、国内での放映前にインターネット上に流出した。本編は2010年10月10日23時30分のTOKYO MXをスタートに各局で順次放映を予定していた。しかし、放送に先立つ10月10日午前8時に、放映前の本編画像がインターネットの動画投稿サイトなどにアップロードされ全編が視聴出来る状態になっていた。
 この事件に関して番組を製作する俺の妹がこんなに可愛いわけがないプロジェクトは、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の公式サイトにて、北米で番組の同時期配信を予定していたAnime News Network(ANN)の契約サーバーから本編が流出したことを明らかにした。

 ANNは今回の事件について、同社のサイトにてお詫びとその経緯を掲載している。ANNによれば、今回の流出した映像は同社が契約するサーバー会社に外部から第三者が不法侵入し、持ち出されたものであるとしている。
 また、ANNは事件の調査とセキュリティの脆弱性を是正するため、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』とその後に予定していた『咎狗の血』の日米での同時期配信を無期限で延期することも明らかにしている。同社は両作品のために行なっていた有料プレミアサービスの購入者に対して、全額返金も行なう。

 ANNは英語圏最大のアニメ情報サイトとして知られている。2008年より動画配信事業を開始している。しかし、同社の配信はこれまでは旧作や他社の動画配信からの再配信が中心となっていた。
 今回の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』と『咎狗の血』は、ANNが手がける初の新作テレビアニメの日本との同時期配信、有料サービスとなっていた。また、北米での同時配信は、クランチロールやファニメーション、VIZメディアなどに続くもので、両国のアニメ関係者からも注目されていた。

 サービス開始からその試みがつまずいたことになるが、これは日本アニメの違法配信が溢れる北米の状況を反映しているものとも言える。北米では日本アニメが日本での放映直後に翻訳され、違法にインターネット上にアップロードされることが日常化している。また、一部ではファンサブと呼ばれるそうした翻訳の訳者やアップローダーを賞賛する風潮もある。そうしたアップローダーにとって、企業による正規の同時配信は好ましくないものと映るからだ。
 今回の本編流出では、現在のところ誰がサーバーに不法侵入したかは明らかになっていない。しかし、ANNの初作品、しかも配信およそ半日前という微妙な時期の流出は、同社の事業を意図的に妨害したものである可能性が強い。

 同様の事件は、2009年5月に北米の大手アニメ会社ファニメーションが、『ONE PIECE』の日米同時配信を開始した時も起きている。こちらもファニメーションの最初の同時配信作品であった。配信直前にファニメーションの持つサーバーに不法侵入があり、放映前に本編が持ち出された。そのうえで日本での放映1日前にインターネット上にアップロードされた。この結果、ファニメーションの同時配信のスタートは、およそ3ヶ月遅れることになった。
 今回も同じことが繰り返されたことで、北米における日本アニメの違法配信を巡る状況の深刻さがあらわになったとも言えるだろう。

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 公式サイト http://www.oreimo-anime.com/
第2話 本編映像流出に関して
http://www.oreimo-anime.com/news/index.html#n101014

Anime News Network  http://www.animenewsnetwork.com/
Oreimo Simulcast Statement(日本語あり)
http://www.animenewsnetwork.com/oreimo-apology