ICv2 北米の日本アニメ市場規模公表 5年で半減

 米国のポップカルチャー業界情報のICv2が、10月7日にリリースした「Internal Correspondence 73号」によれば、2010年の北米の日本アニメの映像パッケージ(DVD、Blu‐ray Disc)市場は、1億6000万ドルから2億ドルになる見込みだという。ICv2は市場規模の推定値の幅が大きいことについて、米国最大の小売チェーンであるウォルマートがDVDの売上げ数値を公開していないためとし、北米での日本アニメの映像パッケージ市場規模を正確に算出するのは困難であるとしている。
 一方で北米の日本マンガ市場については、2009年におよそ1億4000万ドルとより狭いレンジで推定している。ふたつの数字を較べると、日本の市場とは逆に依然北米ではアニメ映像パッケージ市場がマンガ市場より大きいことが分る。

 ICv2はこれまでもアニメ映像パッケージ市場規模の拡大や縮小についてたびたび言及してきた。しかし、ウォルマートの売上げ数字の問題もあり、具体的な数字に触れることは少なかった。その数少ない具体的な市場推計は2008年に発表された2007年の推定市場規模2.75億ドルから3億ドルという数字である。その2007年の市場は2006年から20%の減少としており、さらに2006年の市場規模は2005年の19%減としている。
 こうした数字を追っていくと、ICv2では2005年の北米の日本アニメの映像パッケージ市場を4億3000万ドルから4億6000万ドル程度と見ていたことになる。これを2010年の推計と較べると2005年から2010年の市場の縮小幅は6割超となる。北米の日本アニメの映像市場は2000年代後半に急激に縮小したとされるが、それを裏付ける数字と言ってよさそうだ。

 一方で、撤退、縮小の続いた北米の日本アニメ専門の流通会社には、こうした数字以上に売上げ減少を感じているところもあるかもしれない。これは同じ日本アニメの映像パッケージでも、アニメファンよりもっと広いファンに向けた『ポケットモンスター』や『爆丸』、『ドラゴンボールZ』、スタジオジブリの劇場映画などは比較的減少幅が少なかったと見られているからだ。日本では深夜放送されるようなコアファン向けの作品の市場の縮小は全体の数字よりさらに大きいと見られる。
 市場縮小の理由については、これまでにインターネット上の違法配信の蔓延のほか、価格戦略の失敗、BD化の波に乗り遅れていること、さらに流通力の不足などが指摘されて来たが特定することは難しい。むしろこれらの複合要因と言えるだろう。
 そうしたなか現在は、オンラインビジネスへの移行、薄利多売、特典やクオリティを重視した差別化などが行なわれている。今後、そうした戦略が成功するのかが、このままマーケットが縮小を続けるのか、再び成長軌道にのるのかの鍵を握ることになる。

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