テレ朝 シンエイ動画完全子会社化 楠部会長から株式取得

 テレビ朝日は同社の連結子会社であるアニメ製作会社シンエイ動画を完全子会社化することを明らかにした。テレビ朝日は既に同社の発行済株式の90%14万4000株を保有するが、残りの10%1万6000株をシンエイ動画の代表取締役会長である楠部三吉郎氏より取得する。株式譲渡は2010年10月15日に行なわれるが、譲渡価格は明らかにされていない。
 株式を譲渡する楠部三吉郎氏は、兄である、故楠部大吉郎が1976年に設立した。今回の株式譲渡でシンエイ動画の経営は、創業者ファミリーの手から完全に離れることになる。

 シンエイ動画は国内有数の歴史を持つアニメ製作会社として、様々な作品を制作してきた。特に藤子作品に大きな実績を残しており、『怪物くん』や『忍者ハットリくん』などの代表作がある。現在は、長年愛され続けている『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』といった長寿番組を制作している。2009年3月期の売上げは34億800万円と中堅規模の製作会社だが、経常利益は3億9100万円と安定経営となっている。
 テレビ朝日はシンエイ動画と『ドラえもん』、『クレヨンしんちゃん』などの作品でテレビ放映、劇場映画の製作・配給、さらにDVD販売や海外番組販売などで密接な事業連携を行っている。同社によれば完全子会社化により連携強化を行なうことでこれまで以上に積極的な事業展開と収益拡大が可能になるという。また、テレビ朝日はアニメコンテンツが、同社のコンテンツの多面展開と収益拡大というを事業戦略で重要な位置づけにあるとしている。
 テレビ朝日はもともとシンエイ動画の株式の14.6%を保有しており、2008年にこれを90%まで引上げ子会社化していた。シンエイ動画の制作する『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』といった有力コンテンツの囲い込みが目的とみられていたが、今回はそれをさらに推し進める。

テレビ朝日 http://www.tv-asahi.co.jp/
シンエイ動画 http://www.shin-ei-animation.jp/