「俺の妹」北米同時配信 英語アニメ情報サイト新規参入

 英語圏最大の日本アニメ情報サイト アニメニューズネットワーク(Anime News Network:ANN)は、今秋の新作テレビアニメシリーズ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の北米配信を開始することを発表した。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』は、電撃文庫で刊行されている伏見つかさ さんの人気ライトノベル小説を映像化したものだ。2010年秋の話題作として、10月3日のTOKYO MXをスタートに全国で放映されている。
 ANNはロサンゼルスに拠点を持つアニプレックス・オブ・アメリカと協力して、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を日本でのテレビ放送と平行して動画配信する。配信の視聴方法やビジネスモデルの詳細は明らかにされておらず、今後発表する予定としている。

 ANNは1998年 に設立されたアニメ情報サイトで、英語にて世界各地に日本のアニメ・マンガなどの情報を送り届ける。2000年代になり急成長しており、現在は英語圏最大のアニメ情報サイトとされている。2008年にサイト内に動画配信システムを構築、動画配信ビジネスに積極的に取り組んできた。
 これまでは旧作の番組配信やトレーラー、さらに他の動画配信サイトの再配信などを行なってきた。しかし、新作アニメの本編を日本での放送と同時期に平行して配信するのは『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』が初となる。同時配信はANNがかねてより模索して来た新ビジネスで、今後もさらに配信番組の拡大を目指すとみられる。

 今回の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の配信開始についてANNのCEOであるクリストファー・マクドナルド氏は、「今回のアニプレックスとの提携による同時配信は非常にエキサイティングなものです。アニメニューズネットワークは、コアなアニメファンに作品を届ける最適なプラットフォームです。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のような作品の視聴者にまさに一致しています。」と話す。同時に「アニメニューズネットワークは今後も同時配信の拡大を目指しており、今回の試みは重要な一歩である。」と配信事業の拡大に意欲を見せる。
 一方、アニプレックス・オブ・アメリカの後藤秀樹氏は、「アニメニューズネットワークによる最初の同時配信のパートナーになれたことをうれしく思います。今回の協力が北米のアニメファンが作品を楽しむ環境を活性化させ、その情熱を共有出来ることを望んでいます」とする。

 テレビアニメを日本での放映直後に海外で公式同時配信する試みは、2008年に米国・サンフランスコに本社を持つクランチロール(Crunchyroll)が行なったのが最初となっている。ファン翻訳の海賊版であるファンサブン流通を抑える目的もあり、その後この同時配信は急激に普及した。
 北米ではクランチロールのほかファニメーション(FUNimation)やVIZメディア、Huluなどで行なわれている。そのタイトル数は20タイトル以上に及ぶ。今回、ネット上でのアニメファンの集積の高いANNがこれに加わることで、同時配信ビジネスはさらに活性化するだろう。
 一方、ANNの同時配信で気になるのはそのビジネスモデルだ。クラントロールが有料会員と広告収入の組合わせによる収益化を目指しているのに対し、ファニメーションとVIZメディアは作品の宣伝を目的として無料配信を行なっている。海賊版は抑えられても、十分なお金は生み出していないとされるアニメ配信のビジネスに新たな可能性を提示出来るかが問われる。

アニメニューズネットワーク(Anime News Network:ANN)
http://www.animenewsnetwork.com/