角川書店と角川映画2011年1月合併 映像と出版を統合

 9月30日、メディア企業の角川グールプホールディングスは、グループの再編としてグループ企業8社合計4件の合併をすることを明らかにした。角川書店が角川映画を吸収合併し新たな角川書店として事業を行なうほか、角川マーケティングが角川・エス・エス・コミュニケーションズを吸収合併、アスキー・メディアワークスが魔法のiらんどを吸収合併、角川コンテンツゲートがワーズギアを吸収合併する。
 これにより角川書店は出版・映像事業を兼ね備えた新しい会社となる。また他の3つの合併は雑誌分野、デジタルコンテンツ分野、デジタル配信分野の事業の一部を集約する。角川グールプホールディングスは今回のグループ再編について、映像事業、雑誌事業、デジタル事業の強化を目的としたものとしている。事業再編を通じて、電子書籍を含むデジタルメディアの展開を見据えたメガソフトウェア・パブリッシャーとして成長を目指す。

 今回のグループ再編で最も注目されるのは、これまで出版・書籍事業の中核であった角川書店と映像事業の中核であった角川映画 の事業が統合されることだ。角川書店は一般書籍・雑誌で国内有数の出版社、また大映や日本ヘラルド映画の事業も引き継ぐ角川映画は国内第4位の大手映画会社である。両社の統合で、出版と映像・映画を併せ持つ国内では珍しい企業が誕生する。
 これまでも両社はグループ企業として事業協力を行ってきたが、さらに緊密な関係が生まれ。角川映画は2009年に角川エンタテイメントを吸収合併しており、角川書店はそれをさらに吸収する。このため角川書店は、映画の企画・製作から配給までを手がける総合映画会社の機能も持つ企業になる。一方、角川映画の名前は映像事業のブランドとして今後も存続する。

 角川書店はこれまでもマンガ、小説を原作とした作品を中心に、アニメ・特撮などの映像事業を行なっている。今回の合併でこうした事業重複の一部は解消されることになりそうだ。事業の効率化、シナジー効果も期待出来る。
 しかし、今回の合併決定のもうひとつの側面は、過去数年、グループ内で角川書店が堅調な業績を残してきたのに対し、角川映画の業績は赤字になるなど必ずしも良くなかったことである。今回はより事業がうまくいっている角川書店が角川映画を取り込むことで、映像事業を立て直す狙いもあると見られる。

 また、過去数年間、角川グループは企業再編を繰り返し、組織がなかなか落ち着きをみせないのも懸念材料だ。企業買収や新会社の設立だけでなく、中間持ち株会社の設立やその統合など目まぐるしく組織が変わり続けている。
 しかし、組織再編を繰り返しているのもかかわらず、依然、出版、情報、デジタルコンテンツなどの分野に複数の企業が並び立ち、事業重複も少なくない。今後、こうした事業がさらに再編されるのか、現状の様に複数の企業が独自の強みを発揮する体制を目指すのか、グループの先行きは必ずしも明瞭でない。

角川グールプホールディングス hp://www.kadokawa-hd.co.jp/