伊藤忠商事と石森プロ 新会社設立

 9月1日、大手商社の伊藤忠商事と仮面ライダーなどの人気作品で知られる石森グループ(株式会社石森章太郎プロ、株式会社石森プロ)は、共同で故・石ノ森章太郎氏の作品の活性化を目的とした株式会社石森エンタテインメントの設立すると発表した。
 
 出資比率は石森側が株式会社石森章太郎プロと株式会社石森プロを合わせて51%、伊藤忠商事が49%である。主な事業内容は、石ノ森章太郎作品の映像、商品化等の窓口業務だが、コンテンツ製作やプロモーション、マーチャンダイジング、コンテンツ流通の国内外へ展開を視野に入れている。
 石森グループは、新会社に作品許諾提供、企画面での協力を行い、伊藤忠商事は石森作品への製作投資も行う。投資規模は製作投資に5年間で50億円、新会社は5年後に15億円から20億円の売上高を見込んでいる。

 これまで、アニメ・漫画ビジネスは、クリエーターの才能によることが多く、またビジネスの当たりはずれが大きいため音楽ビジネスや映画ビジネス、ゲームビジネスと同様に全く異なる業種からの参入は難しかった。過去にも商社によるアニメには商業的な成功することは珍しく、大手商社によるアニメビジネスへの投資は信頼出来るパートナーの中に出資者として名を連ねるものがほとんどであった。
 現在、大手商社によるアニメビジネスへの投資はそれほど盛んであるとはいえない。唯一、三菱商事のみが子会社のディーライツを通じて本格的にアニメビジネスに参入し『爆転シュート ベイブレード』などで成功をおさめている。
 他の大手商社によるアニメなどのコンテンツビジネスの投資は、制作や版権ビジネスでなく商社の得意とする流通に向けられている。三井物産がCATVの子供チャンネル:キッズステーションの筆頭株主であるのをはじめ、各商社はCATVやモバイルコンテンツの配信、衛星放送に事業を注力して来た。
 
 今回の伊藤忠商事による石森グループとの提携は、過去に数多くのヒットを出して来た石森章太郎の作品を扱うビジネスでリスクが比較的少ない。今後のビジネスの展開は、新たな作品を生み出すことよりも、現在ある資産である作品を活用していくことに向けられて行くはずである。リスクの多いコンテンツの創生でなくブレンドの管理業務、新展開に、伊藤忠商事が得意とするブランド管理能力が発揮されるだろう。また、伊藤忠が持つ国内外のビジネス網も大きな力になるであろう。

《新会社設立と同時に独占許諾される31作品のリスト》
(伊藤忠商事プレスリリースより)
二級天使/佐武と市捕物控/さんだらぼっち/ドンキッコ/くノ一捕物帖/アガルタ
/009ノ1/アンドロイドV/となりのたまげ太くん/未来救助隊アスガード7/リュウの道/原始少年リュウ/番長惑星/ザ・スターボウ/ワイルドキャット/幽霊船/鉄面クロス×鉄面探偵ゲン/ブルーゾーン/グリングラス/GRナンバー5/ジュン/ボンボン/ドッグワールド/ロボット7/さるとびエッちゃん/ミュータント・サブ/いやんポコ/千の目先生/青いけもの/スカルマン/怪傑ハリマオ

伊藤忠商事 http://www.itochu.co.jp/main/index.html
石森プロ公式サイト http://www.ishimoripro.com/toppage.htm