丸善 中国企業と提携 10月に中国で電子コミック携帯配信

 出版事業、書籍販売の丸善は、中国のIT企業北大方正集団公司の日本法人 方正株式会社と業務提携契約を結んだ。両社は今後協力して、日本と中国双方の市場でデジタルコンテンツの販売と市場開発、システムの構築などの事業を進める。コンテンツ流通ビジネス促進のために、ジョイントベンチャーや合弁会社の設立も視野に入れる。
 両社は業務提携事業の第1弾として、10月上旬に中国で日本のマンガの携帯向け配信ビジネスをスタートさせる。丸善は日本の出版社が管理するマンガを中国語に翻訳し、方正グループとそれ以外の中国の携帯電話キャリアに配信する。中国で人気の高い日本マンガからスタートすることで、提携業務にはずみをつける狙いがあると見られる。

 丸善は明治2年(1969年)創業の老舗企業である。国内有数の規模を持つ書店経営のほか、出版事業を幅広く手がける。2007年に印刷大手の大日本印刷の傘下に入った。現在は、ジュンク堂書店、図書館流通センターと伴に大日本印刷の持株子会社CHIの子会社となり、国内最大の書籍流通グループの一角を担っている。
 一方、北大方正集団公司は、北京大学系の大手IT企業で、新聞社、出版社向けのサービス、電子出版システム、画像処理システムなどの事業に幅広く取り組む。特に中国政府系の電子書籍出版で寡占状態を築いている。今後ますます拡大する電子書籍の市場を視野に入れ、日中の有力企業が手を結ぶ。

 両社の提携は中国市場での日本マンガをスタートに、今後は両国での電子コンテンツの相互流通に拡大する。マンガや一般書籍などの電子書籍から、学術研究分野、電子ジャーナル、データベースまでの広い範囲を取り扱う。その数は3年後に50万タイトル、5年後に65万タイトルとし、両国での電子コンテンツ流通の主導的な立場を目指す。
 また、コンテンツの相互流通のほか、それぞれのノウハウやシステム、製品情報の共有を基にした新規事業も視野に入れる。

 海外で、現在急激にスマートフォンの普及が進んでいる。また、国内ではこれまで急成長を遂げてきた電子マンガ市場の業界枠組みが固まりつつある。こうしたことから新たな市場としてマンガを中心に海外進出を狙う企業が増えている。今後急激に競争が激化することが予想される。
 今回、業務提携の第1弾にマンガが選ばれたのも、この分野でより早い中国進出が事業の成否にかかっているとの判断があったと思われる。大手企業の進出による中国での電子マンガ事業の行方が注目を集めそうだ。

丸善 http://www.maruzen.co.jp/top/
方正 http://www.founder.co.jp/