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吉本興業株式会社(以下、よしもと)といえば「お笑い芸人やタレントの所属事務所」をイメージする人がほとんどだろう。事実、漫才やお笑い、バラエティ番組などとは切っても切れない関係にある、日本のエンタテインメント産業の中核を担う企業と言って差し支えないのがよしもとだ。
ではよしもととアニメの関係はどうだろう? 同じTV番組、エンタテインメントという括りではあるが、この両者が頭の中で即座に結びつく人はそう多くないのではないだろうか。

そんなよしもとが今、”アニメプロデューサー”人材を募集している。何故よしもとがアニメプロデューサーを求めているのか? よしもとは一体何をしようとしているのか? 求める人材像は? そんな疑問を晴らすべく、アニメ!アニメ!編集部はアニメ×よしもとのキーマンである3人へのインタビューを敢行した。


左:向清太郎、中央:山田貢、右:長崎行男

株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の漫才コンビ「天津」の向清太郎(むかい・せいたろう、写真左、以下向)は自らアニソン×お笑いフェス「アニ×ワラ」のプロデュースを行う他、声優やライトノベル作家としても活動しており、よしもとの「そっち側の人」筆頭格のアニメ芸人だ。

長崎行男(ながさき・ゆきお、写真右、以下長崎)は『ラブライブ!シリーズ』『プリティーリズムシリーズ』『KING OF PRISMシリーズ』など音や楽曲の魅力なしには語ることの出来ない数多のヒットアニメを手がける音響監督である。ゲームやアニメのディレクター、プロデューサーなどの経験も豊富で、アニメビジネスや業界を実践的かつ多角的に見ることのできる人物だ。

株式会社よしもとプロダクツエンタテインメントアニメ事業センターの山田貢(やまだ・みつぐ、写真中央、以下山田)は同部門のセンター長であり、今回アニメプロデューサー募集をかけたその人である。

今回この3人に「よしもとによるアニメプロデューサー募集」の背景と狙いについて話を伺った。
[取材・構成=いしじまえいわ/撮影=小原聡太]

■あのアニメも実はよしもと関連!?

――今日はよしもとによるアニメプロデューサー募集の狙いについてお話を伺おうと思います。まず、お三方がアニメにどういった形で携わられているのか教えてください。


僕は元々日常系のアニメや4コママンガが好きで、そこからそれを芸や活動に取り入れた、という流れですね。ジャンルとしてはやはり日常系に特化しているかなと思います。

長崎
僕は日常系はそんなにやってないですね。1、2本くらいかな?

――日常系4コママンガ原作のアニメ『ブレンド・S』で音響監督を務められていますよね。

長崎
そうですね。 実はその『ブレンド・S』の最終回に、向さんに出演していただきました。声でなく顔だけでしたが。


パネルに入った僕の顔が最終回に出てくるんですよ。聞いてなかったんでリアタイ視聴してて自分が驚きました(笑)。ご厚意で出演させて頂いた上に打ち上げにも参加させていただきました。


――アニメ×よしもとに長崎さんが関与されているのはどういった経緯なのでしょうか。

山田
長崎さんが音響監督を務められているHoneyWorksさんの映画『告白実行委員会~恋愛シリーズ~』に弊社関連会社(MCIP ホールディングス)が出資をしていまして、そういったご縁で業務提携を結ばせていただきました。弊社の運営する専門学校(沖縄ラフ&ピース専門学校)で講師をご担当いただき、今後よしもとが製作するアニメにも音響監督としてご協力いただく予定です。

――多くのアニメ芸人の方々の活動だけでなく、アニメへの出資やクリエイター人材輩出のための専門学校運営など、よしもとは既にアニメ業界に深く関わっているんですね。

■よしもとのアニメに対する本気度「お客さんではない」

長崎
3年くらい前によしもとの大﨑社長とお食事をさせていただく機会があり、その時「よしもとはこれからアニメにジャンルを広げていきたい」と協力をお願いされました。ラフ&ピース専門学校の件も3年前だったと思いますが、その時も社長から直接お声掛けいただいています。

――社長自らアニメ×よしもとというビジョンをお持ちなんですね。

山田
それは間違いないです。

――アニメ業界外の企業が1、2作品携わってそれ以降フェードアウトしてしまうというケースもありますが、よしもとに関してはその心配はない、と考えていいでしょうか?

長崎
よしもとはお笑いなどのライブやエンタテインメント分野では既にシェアを獲っていますから、同じエンタテインメント分野でありノウハウや施設が活かせるアニメに進出するのはある意味では自然なんです。
最近のアニメは作品を放送・配信して終わりではなく、その後ライブや2.5次元ミュージカルなどのライブエンタテインメントにも展開しますから、そういった部分では特によしもとの強みを活かせるでしょう。


――確かに、よしもとが日本中に展開している大小様々な劇場がそのまま使えるわけですから、その点ではかなりのアドバンテージがありますね。

長崎
現状アニメ関連のライブエンタテインメントの数は膨大にあり、ステージの数が飽和状態ですからね。

山田
弊社は先月2月に大阪城公園内にCOOL JAPAN PARK OSAKA というホールを新設しました。コンテンツ関連のステージは関東公演に集中しているのでこれを関西でも広げ、さらに関空からの外国人観光客にもリーチしたいというのがよしもとの狙いです。


長崎
海外といえば少し話が変わりますが、よしもとはNetflixやAmazonでの海外配信や配信専用コンテンツの製作もかなり早い段階から取り組まれていますね。

山田
ノウハウやパイプは既にありますから、よしもとはアニメでも同様に海外配信にも力を入れたい考えです。

――向さんはこういったよしもとのアニメ関連の動向についてどう見られていますか?。


僕は2000年頃からアニメネタを芸に取り入れているんですが、その頃はよしもととアニメの間にはかなり距離があったんですよ。『おはスタ』内で短編アニメをやっていたんですが、いち視聴者として「(よしもととアニメは)食い合わせ悪いなあ」と思いながら見てました。

山田&長崎
(笑)


それがあったせいか、僕、この世界に入ってからもアニメ関連の活動はよしもとを絡めずにやってたんですよ。だって、例えばアニソンフェスをするんだと社員さんに話したら「じゃあ水樹奈々さん呼ぶ?」とか平気で言うわけですよ。それはちゃうやろ! と。


――水樹奈々さんに会えればもちろん嬉しいですが、ご本人によるステージとファン同士でアニメネタを楽しむフェスとでは趣旨が違いますもんね。でもそのニュアンスの違いはアニメを好きでないと分からないかもしれませんね。


だから僕は距離を置いてやってきましたが、2年前にアニメ事業センターができて、長崎さんと業務提携したり作品に出資したりしているのを見るにつれ今回は本気度が違うというのを感じましたし、20年を経て今度はちゃんとアニメに向き合おうとしているなと今は思っています。
僕はよしもとの本気を内側から見ているので理解できましたが、一般の方からすればかつての僕と同じで「またよしもとはアニメなんかに手を出しちゃって」という目線だと思うんですよね。だからこそ、ちゃんとアニメ愛を持ったスタッフさんに入ってもらってこの本気の熱を伝えてもらう必要があるんです。僕自身、そんな人に入ってもらいたいです。

長崎
向さんの「アニ×ワラ」もあって徐々によしもと内でのアニメへの理解や関心が高まったんだと思いますよ。よしもとは最早アニメ業界の外から来た「お客さん」ではないと理解しています。

■よしもとはアニメ業界の「空き地」

――それでは、具体的にどういった人に入ってもらって何をしてもらいたいですか?。

山田
今回求めているのはプロデューサーといっても制作サイドのラインプロデューサーではなく、製作側の方のプロデューサーになります。そのためコンテンツビジネスに精通している方、委員会組成など製作幹事の経験のある方に来ていただきたいと思っています。



あと、熱を持っているというか、「アニメが好きな人」ということが分かりやすいと思います。アニメファンが何が好きで何をやったら「舐めてんな」と思われるのかを知っているのは、やはりアニメが好きな方ですので。
そういった判断ができる方は今よしもと内に絶対的に少ないので、「こんなのアニメが好きなら常識でしょ!?」というようなことを逐一説明しなくてもいい、そのターンが要らない人は本当に貴重です。

山田
「こんなアニメを実現したい」という思いや企画を持っている方だと有り難いです。実現したい企画がある方は情熱をもっていると思うので、どんどん作品を形にしていただきたいですね。
向さんもライトノベルを書いていますが、よしもとにはアニメ化できそうな本やネタを持っている芸人さんもいますし、彼ら自身もコンテンツだという要素もあります。そういったものをベースにアニメ化、ということもあり得ると思います。


雑な言い方になりますが、ちゃんと製作の知識があって人を口説き落とせる話術がある方なら、もう好きなことができると思いますよ。アニメ業界における空き地みたいなもんです。

山田&長崎
(笑)


だってアニメの専門家は他にいないんですから。僕ら芸人もよしもとという場は共有しながら個人個人はそれぞれ好きなことをやってるので、その感じに近いんじゃないかと思います。


山田
逆に仕事を待っているタイプでは務まらないですね。

長崎
プロデューサーにもいろんな立場や業務がありますから、製作プロデューサーをやりたいという方にはチャンスですね。
具体例になりますが、若林豪さんというプロデューサーは自分で作品を作れる新天地を求めてアニプレックスに転職し『劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉』を手がけました。当初この作品はアニプレックス内でもヒットするか疑問視されていたようですが、彼が積極的に企画を進め、見事にやり遂げました。
これは一例ですが、場所や業務内容を変えることで流れが全く変わることもありますから、次の選択肢の1つとしてよしもとを入れていただければいいのかな、と思います。

■「アニメを見るのが当たり前」の時代だからこそ


今の若い子は当たり前にアニメを見ていますよね。親戚の10歳から18歳くらいの従兄弟の子たちもこの前一緒に仕事をした四千頭身の3人も、深夜アニメ含めて普通にアニメを見ているんですよ。アニメはもうかつてのドラマや映画やバラエティ番組に並んだんだなと思います。
また、「アニ×ワラ」などのお客さんを見ていると、アニメファンとお笑いファンそれぞれ別のものが一つになったというよりは、元々アニメもお笑いも別け隔てなく好きという人が増えているように感じます。

長崎
最近の例ですが、お母さんに連れられて娘が『シティーハンター』を見に行った、見たら面白かったから親子一緒に楽しんだ、というような話も聞きました。


ドラゴンボール芸人のR藤本のネタで小さい子供が笑ってますからね。『シティーハンター』にしろ『ドラゴンボール』にしろ、いいアニメであれば世代に関係なく二代三代に渡って愛される時代なんですよね。

――アニメが一般化し誰もが愛するエンタテインメントになった時代だからこそ、エンタテインメントを事業の中核とするよしもとがそこに注力することもまた必然なのですね。


アニメとよしもとは食い合わせが悪い、と考える人もまだまだ多いです。ですがちゃんと双方のことが分かっている人が入ってくれればすごく面白いことになるはずなんです。誰もが愛する共通言語のようなアニメがよしもとから生まれる。それを実現に向けて前進させてくれる人が仲間になってくれるといいなと思います。

――そんなアニメが見られるのが今から楽しみです。ありがとうございました。

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[いしじまえいわ]