大日本印刷子会社 仏でiPhone向けのマンガ配信開始

 大日本印刷は100%出資の子会社ユートゥを通じて、フランスでiPhone向けのマンガ配信サービス「YouToo Manga」を開始した。その第1弾としてこの7月から渡辺航さんの『弱虫ペダル』(秋田書店)、大森しんたさんの『月光』(モーターマガジン社)、そしてイースト・プレスが名著をマンガとして現代に甦らせる『武士道』、『人間失格』を提供する。
 サービスの提供にあたっては、フランス・パリにある出版社Editions Ilyfunetと協業する。ユートゥは大日本印刷の社内ベンチャー制度で設立された企業で、スポーツをテーマにした携帯サイトや配信事業、プロモーションなどの事業を手掛ける。フランスではEditions Ilyfunetと協力して在仏邦人向け情報誌「OVNI」の携帯サイトの企画を実現している。そうした経験を活かし、フランスで人気の高い日本のマンガビジネスに取り組む。

 今回発売される作品は、いずれもApp Storeにて販売している。ユーザーは『弱虫ペダル』は1話0.79ユーロ、他の作品は各2.99ユーロで販売する。作品は今後も随時追加して行き、3年後の2013年には1000タイトルまで拡大する。また、フランス以外の地域への展開も視野に入れ、売上高3億円を目指す。
 大日本印刷は「YouToo Manga」のプロモーションのため、先日パリ市で開催された日本ポップカルチャーのイベントジャパンエキスポ(JAPAN EXPO)で、秋田書店と共同ブ-スを設けてサービス紹介を行った。

 配信されるマンガはフランス語翻訳となるが、『弱虫ペダル』については日本語も見たいというファンのニーズに応え表示切り替えで日本語でも閲覧出来る。電子書籍ならではの技術を導入する。今後も、この2カ国対応を推進する。
 この閲覧システムは、セルシス・ボイジャーの電子書籍用ビュ-アを採用している。マンガのコマが1コマずつ紙芝居のように閲覧出来るだけでなく、ページ全体をスクロールしながら表示することも出来る。

 成長市場とみられている携帯向けマンガ配信事業だが、国内では激しい競争の結果、主要な企業が絞られてきた。寡占体制も強まっており、市場構造が固まりつつある。
 そのためマンガ配信事情の主戦場は海外に移りつつある。現在は、各企業が競って海外進出を狙っている。なかでも日本マンガの売上げが大きいフランスは、魅力的な市場だ。今後も日本から進出が相次ぐ可能性が高い。いち早く、iPhone向けのサービスに乗り出したユートゥが、先行逃げ切りとなるのか、今後の行方が注目される。

ユートゥ http://youtoo.co.jp/