CEDEC AWARDS候補発表 ラブプラスやボーカロイドも

 ゲーム開発者のコンファレンスCEDECは、7月1日に今年のCEDEC AWARDSのノミネーション対象を発表した。CEDEC AWARDSは、ゲーム制作に用いられている技術に対して与えられるゲーム開発技術賞として、2008年からスタートした。プログラミング・開発環境部門、ビジュアル・アーツ部門、サウンド部門、ネットワーク部門、ゲームデザイン部門とゲーム開発への貢献全般に対して与えられる特別賞、著述賞の7分野が設けられている。このうち特別賞、著述賞を除く5部門は、専門家からなるCEDEC AWARDSノミネーション委員会によりノミネートが選ばれる。
 ゲームソフトを総合的に評価する賞はこれまでにもあったが、開発技術にフォーカスした総合的な賞はなかった。ノミネート対象もゲームの個別タイトルでなく、ソフトにおける特定の技術、横断的な活動などを含んでいる。業界関係者から高く評価され、同時にゲーム開発分野の総合イベントとして急成長するCEDECの目玉ともなっている

 そうした注目のなかで発表された今年のノミネートは、5部門各5つ合計25に及ぶ。CEDECを油彩するCESA(コンピューターゲームソフト協会)は、コンソールゲーム、携帯ゲーム、PCゲームを主体とした業界団体となっている。しかし、CEDEC AWARDSでは、そうした枠を超える動きが窺える。
 例えば、ゲームデザイン部門でが、子ども向けのアーケードカードゲーム『甲虫王者ムシキング』と『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』、モバイル向けの『コロニーな生活☆PLUS』のゲームデザインを対象に含んでいる。さらに、プログラミング・開発環境部門の歌声合成技術の開発(『ボーカロイド』 開発チーム)やネットワーク部門のAR技術の開発(『セカイカメラ』 開発チーム)など従来のゲームの領域を超えた技術が含まれているのも注目に値する。CEDECは、ゲームの新しい領域に積極的に関わって行こうとしているようだ。
 注目の作品では、昨年来の大ブームを巻き起こしているコナミデジタルエンタテインメントの『ラブプラス』である。プログラミング・開発環境部門とビジュアル・アーツ部門のふたつの技術でノミネートされている。

 ノミネート対象はCEDEC受講者の投票により受賞者を決定する。そして8月31日から開催されるCEDECの最終日9月2日に発表、パシフィコ横浜会議センター メインホールにて授賞式を行う。今年も多くの参加者の関心を集めることになるだろう。

CEDEC2010  http://cedec.cesa.or.jp/2010/

CEDEC AWARDS ノミネーションリスト

[プログラミング・開発環境部門]
■ ゲームプログラマーの育成に対する多大なる貢献
   元 『マイコンBASICマガジン』 編集部とプログラム投稿者
   (代表者 同誌元編集責任者 大橋太郎)(電波新聞社)
■ 制約の強いハードウェアにおける優れた描画技術の開発
   『ラブプラス』 開発チーム(コナミデジタルエンタテインメント)
■ AIやプロシージャル技術の向上に対する貢献
   三宅 陽一郎氏(フロム・ソフトウェア)
■ 新規技術のゲーム開発応用に対する積極的な取り組み
   『KILLZONE®2』 開発チーム(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
■ 歌声合成技術の開発
   『ボーカロイド』 開発チーム(ヤマハ)

[ビジュアル・アーツ部門]
■ 圧倒的な臨場感とビジュアル力
   Infinity Ward Team (Activision, Inc / Infinity Ward, Inc.)
■ 絵作りの為にハードの枠の限界に挑戦した
   『ラブプラス』 開発チーム(コナミデジタルエンタテインメント)
■ 効率の高い大作シリーズ開発体制
   『龍が如く』 開発チーム(セガ)
■ 日本人の感性による新しいアクション・ヒロインの創出
   『ベヨネッタ』 開発チーム(プラチナゲームズ)
■ 実写を効果的に活用した独自の表現手法
   『428』 開発チーム(チュンソフト)

[ゲームデザイン部門]
■ 子供向けアーケードカードゲームのゲームデザイン
   『甲虫王者ムシキング』『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』 開発チーム(セガ)
■ 「すれちがい通信」による「宝の地図」交換を社会現象に発展させたゲームデザイン
   『ドラゴンクエストⅨ』 開発チーム(スクウェア・エニックス)
■ 観察型擬似コミュニケーションを実現したゲームデザイン
   『トモダチコレクション』 開発チーム(任天堂)
■ 携帯電話位置情報の移動量を利用したゲームデザイン
   『コロニーな生活☆PLUS』開発チーム(コロプラ)
■ 非同期コミュニケーションによるゲームデザイン
   『デモンズソウル』 開発チーム(フロム・ソフトウェア)

[サウンド部門]
■ 自動効果音発音システムによる効率的なアニメーション効果音再生
   『FINAL FANTASY XIII』 サウンドチーム(スクウェア・エニックス)
■ DTMツールでありながら、音楽本来の楽しさであるコミュニケーションツールへと昇華させた
   『DS-10』シリーズ 開発チーム(AQインタラクティブ)
■ ダイナミックに変化するストリーミングによるインタラクティブ音楽の実現
   『アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は尐女の詩が弾く』 開発チーム
   (バンダイナムコゲームス)
■ サウンドチームが一丸となって実践するリファレンスレベルへの取り組み
   カプコン 制作部 サウンド制作室(カプコン)
■ 多彩な物理オブジェクトの挙動に対して自然な効果音を実現
   『リトルビッグプラネット』 開発チーム(ソニー・コンピュータエンタテインメント)

[ネットワーク部門]
■ リアルな世界での情報をネットワークを通じて共有できる、わかりやすいAR技術の開発
   『セカイカメラ』 開発チーム(頓智・)
■ ユーザー数の増加に対してスケーラブルなサービス技術実現
   『ブラウザ三国志』 開発チーム(AQインタラクティブ)
■ 安全で、ネットワーク環境へも優しい技術の家庭用ゲームへの導入と、そのデータ公開
   オンライン制作チーム(コナミデジタルエンタテインメント)
■ ゲーム開発のノウハウを使って新しいTV視聴・録画エクスペリエンスを提供
   『torne(トルネ)™』 開発チーム(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
■ プレイヤーにネットワークを意識させない、自然な協力プレイの実現
   『デモンズソウル』 開発チーム(フロム・ソフトウェア)