「アイカツ!」の3DCGライブはこうしてつくられた! カメラワークの極意を伝授

現在放映中の『アイカツスターズ!』の前作として、2012年10月から2016年3月にかけて放映していたアイドルアニメ『アイカツ!』。かわいらしい衣装に身を包んだアイドルたちの歌とダンスを3DCGで描くライブシーンが魅力の一つだが、そのCGライブのメイキングセミナーが、2017年9月10日(日)に東京・UDX GALLERY NEXT/UDX GALLERYで行われた「あにつく2017」にて披露された。

登壇者はサムライピクチャーズからCGディレクターの北田伸氏、リードモデラーの林和正氏、リードアニメーターの飯塚結惟氏の3名。本編で実際に用いられたデータや楽曲を例に、その場でライブシーンが詳細に演出・解説された。

モチーフとなったのは、南の島を舞台にした楽曲「笑顔のSuncatcher」。今回は工程を絞り、ダンスの振り付けはすでに存在しているところから、「Autodesk MotionBuilder」を用いたカメラワークをテーマに、メイキングが披露された。
まず『アイカツ!』のライブシーンには、絵コンテが存在しないという。監督との打ち合わせをもとに、CGチームがカメラワーク・アニメーション作業を行い、それを再度、監督がチェックする。
そうした裁量が大きいなかでCGチームが特に意識したというのが、歌のパート分け、ダンスにおける身体の伸ばし、キャラクターのデザイン上の特徴だ。たとえば、前髪の編み込みがチャームポイントのキャラクターは、カメラで捉えるときは横顔ではなく、正面を意識。対して後ろ髪のボリュームが魅力的なキャラクターは、それが伝わるよう横顔を強調する。

ズームや手ブレもCGチームが演出する腕の見せどころ。手ブレはズームインのタイミングで大きめにつけるなど、様々な工夫とテクニックが解説とともにその場で実演され、具体的に示された。
カット割りも、音楽のリズムと合わせると窮屈になってしまうため、キャラの動きをベースに。同じステップを繰り返すシーンでは、引きで全体を十分に見せておけば、途中でアップを差し挟んでも視聴者はその間の動きを補完的にイメージできるなど、要所要所での演出作法がおしげもなく披露された。

また途中ではレンズ効果による演出術の話題も。太陽によるレンズフレアがAdobe After Effectsで加えられることで映像がグッと華やぎ、またピントの切り替えで視聴者の視線を巧みに誘導する。
CGによるカメラワークはどのような操作で付けられ、そこにはどのような演出テクニックが込められているのか。それが本物のキャラクターと舞台で解説されるという、ファンとクリエイター志望者のどちらも大満足な豪華なセミナーとなった。
[深井孔]

あにつく 2017
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