アニメ制作における「ポストプロダクション」って何? キュー・テックが一から解説


作画から撮影までを指す「プロダクション」の次の工程となる「ポストプロダクション」は、アニメに関する専門的な情報メディアでもなかなか触れられる機会が少ない仕事だ。

2017年9月10日(日)に東京・UDX GALLERY NEXT/UDX GALLERYにて開催された、アニメ制作技術に関する総合イベント「あにつく2017」では、そんなポストプロダクションを専門に手がけるキュー・テックによるトークセッション「グラフィニカ キュー・テック ポストプロダクション・セミナー - ポストプロダクションはアニメ業界のHUBに成り得るか -」が開かれた。

今回ポストプロダクションについて解説するのは、キュー・テック営業の岡本昌明氏と、ビデオ編集の板倉玄氏。グループ会社であるグラフィニカの堀内隆氏の進行のもと、前半では、PVなどとともにキュー・テックの企業説明や、グラフィニカとのあいだでの連携の効率性を紹介。ポストプロダクションで扱うデータ容量は膨大になるため、インターネットを介してデータの送受信をするよりも、位置関係によっては、HDDを直接人の手で運んだほうが早いケースもあり、グラフィニカはキュー・テックと同じ建屋にあるため、制作上の利点が大きいと、自社の強みをアピール。もちろん、「Qlink」という独自の高速伝送ツール及び自社サーバーとの連携により、物理的に離れた場所にある会社とも、スムーズな連携が行える準備を整えていると語る。

ポストプロダクションエディターの1日のスケジュールを紹介するなど、スタッフの仕事を実感をもって知ってもらうコーナーを挟みつつ、ビデオ編集の具体的な作業工程の紹介も。編集当日前の仕込みでは、リテイクカットへの差し替えや、「ハーディング」という機材を使用した映像の激しい明滅・パターンのチェックも行われる。その後のクライアントが立ち会ってのV編では、テロップのチェックから、映像の加工・修正、納品先の基準に則って不適切なシーンを黒塗りにしたり光で飛ばしたりといった映像の修正等を行い、長いときは3日間以上継続して作業を行う事もあるという。
そのため、求められる能力として、クライアントとのやり取りをスムーズかつ正確に進めるコミュニケーション能力、細かな作業を行う適性や、ミスが許されない現場でのプレッシャーへの強さなどが挙げられた。アニメファンにとって普段は知ることができない情報が紹介されたのみならず、業界を志望する学生にとっても貴重な機会になっただろう。
[深井孔]

あにつく 2017
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