Unityを活かした次世代型のアニメ制作とは? サンジゲン、SOLA、東映アニメーションの三社が解説

9月10日、アニメ制作技術に関する総合イベント「あにつく2017」がUDX GALLERYにて開催された。「次世代型アニメーション制作セッション」には、サンジゲンの松浦裕暁氏、SOLA DIGITAL ARTSの橋本トミサブロウ氏、東映アニメーションの今村幸也氏と、3DCGアニメに携わってきたスタッフが登壇。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの京野光平 a.k.a. ntny氏を迎えて、ゲームエンジン・Unityの導入によってアニメ制作にどのような変化が生じるのかを解説した。

まず三社は3Dソフトウェアが固定化している制作会社の現状について語った。同じソフトを使い続けることはノウハウの蓄積に繋がるが、同時に新しい映像を生み出せなくなるのではないかという悩みも生じる。セッションではそんな状況を打破するための取り組みを紹介していった。
サンジゲンは従来の手描きアニメの質感を再現したセルルックを得意とし、アニメーターの手付けによってメリハリのある動きを生み出している。それに対してSOLAはモーションキャプチャーがメイン(現在は自社スタジオで撮影)。役者の芝居やカメラワークを参考にできるため、コンテ作業に大幅な時間を取られないことが利点である。だが最終的な映像を完成させるために複数のレンダラーを使用しており、レンダリングに時間がかかることが悩みの種だという。

東映が制作する「プリキュア」シリーズのEDダンス映像もモーションキャプチャーをベースとしているため、SOLAと同じ問題に直面していた。そこで2016年放送の『魔法使いプリキュア!』からはUnityを導入し、リアルタイムレンダリングへの移行を図った。それによって1フレームの平均レンダリング時間は12分から15秒に激減。単純計算で48倍ものスピードアップを実現できた。
さらに作業者のワークステーションだけで完結するためレンダリングサーバーを使う必要がなく、他作品の進行を邪魔しないこともメリットとなった。そのほか、映像を確認しながら作業を進められたり、カメラワークを変えた別バージョンを比較的容易に作れたりと、多くの長所があったと説明した。

UnityはMayaや3ds Maxなど様々なソフトウェアで作られたデータを同じデータとして扱えるため、使い慣れているソフトをそのまま使用できる。ゲームエンジンをハブにして作業を効率化することで、アーティストはよりアーティストらしい仕事に専念できるようになるのではないか、と今後の展開について語られた。
セッションの最後にはSOLAとサンジゲンによるハイエンドCGアニメーションスタジオ「TENH Animation Magic」の設立が発表された。まったく異なるタイプの映像を手がけてきた両社がタッグを組み、どのような作品を送り出していくのか。次世代のアニメに期待が膨らんでいく。
[高橋克則]

あにつく 2017
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