若手アニメーター育成4団体決まる 応募16社の中から

 日本アニメーター・演出協会(JAniCA)は、6月16日に若手アニメーター育成プロジェクト(平成22年度若手アニメーター等人材育成事業)の対象となる4つの制作団体による4つの制作プロジェクトを発表した。
 若手アニメーター育成プロジェクトは、文化庁が制作現場を通じた新人アニメーターの育成を目指し今年から始めるものだ。JAniCAが提案した制作と育成を連動させるプロジェクトが採用されている。およそ1年の制作期間と各3800万円の制作予算で複数のプロジェクトに投資する。JAniCAはその対象作品を公募し、これまで選定にあたって来た。

 今回の制作団体発表は、こうした動きを受けたものである。応募は16社からあり、選定・評価委員会が決定した。採択された4社は、株式会社アセンション、株式会社テレコム・アニメーションフィルム、株式会社ピーエーワークス、株式会社プロダクション・アイジーである。
 また、プロジェクトに必須とされた監督とプロデューサーは、それぞれ本郷みつる監督、茂木仁史プロデューサー(アセンション)、滝口禎一監督、竹内孝次プロデューサー(テレコム・アニメーションフィルム)、吉原正行監督、堀川憲司プロデューサー(ピーエーワークス)、黄瀬和哉監督、寺川英和プロデューサー(プロダクション・アイジー) となった。

 採択された会社のうちテレコム、ピーエーワークス、プロダクション・アイジーの3社はテレビアニメ、劇場アニメで元請け制作の実績のある会社、人材育成にも定評がある。アセンションも本郷みつる監督と茂木仁史さんとベテランが行う。また、いずれも経験豊富なプロデューサーを据えてるのが特徴である。
 これまでにないかたちのプロジエクトであることから、これまでの実績が重視された気配が伺われる。様々なマネジメントが必要とされるだけに、安定した運営を目指しているとみられる。

 一方、監督は、『IGPX』、『デルトラクエスト』、『毎日かあさん』などのベテラン本郷みつるさん、吉原正行さん、滝口禎一さん、黄瀬和哉さんはアニメーター出身。
 作品はいずれも仮題とされているが、この団体と監督、プロデューサーであれば、人材育成から離れても楽しみなものとなるに違いない。そうした作品は教育だけで終わらず、ビジネスも成り立つ作品を目指す若手アニメーター育成プロジェクトの趣旨にも沿ったものである。

 そして今回何よりも注目すべきは、制作団体募集説明会から応募締め切りからわずか2週間という短期間であったにも関わらず、JAniCA の予想を大きく越える16もの応募があったことだろう。チャンスがあれば若手アニメーター育成に力を入れたい、若手中心の作品を制作したいという意識がアニメ業界に強いということだ。
 JAniCAにとっても、制作団体にとっても決して楽なプロジェクトではない。しかし、問題が起きても、その問題を知ることが、また将来の布石となるはずである。今後の成果が大きく期待される。

日本アニメーター・演出協会(JAniCA) http://www.janica.jp/

若手アニメーター育成プロジェクト
作品制作団体

株式会社アセンション
監督:本郷 みつる プロデューサー:茂木 仁史  
作品名:「キズナ 一撃」(仮)

株式会社テレコム・アニメーションフィルム
監督:滝口禎一  プロデューサー:竹内 孝次
作品名:「おじいさんのランプ」(仮)

株式会社ピーエーワークス
監督:吉原正行  プロデューサー:堀川 憲司
作品名:「万能野菜 ニンニンマン」(仮)

株式会社プロダクション・アイジー
監督:黄瀬和哉  プロデューサー:寺川 英和
作品名:「たんすわらし。」(仮)