サバン氏「パワーレンジャー」買収 ニコロデオン放映に

 米国の複数のメディアによれば、エンタテインメント業界の実業家ハイム・サバン氏が、特撮番組『パワーレンジャー(Power Rangers)』の権利をウォルト・ディズニーから獲得した。サバン・キャピタルグループ(Saban Capital Group)の子会社サバン・ブランド(Saban Brands)を通じて、作品とブランドの権利を買収した。
 『パワーレンジャー』は日本の東映が製作する特撮番組「戦隊シリーズ」を海外向けに編集したものである。日本の役者の部分を米国人に置き換えて撮影、独自のストーリーで展開、世界中でテレビ放映され高い人気を獲得している。この放映は、現在ディズニー系のFOXチャンネルやディズニーXDで行われている。報道によれば今年中にニコロデオン系のキッズチャンネルであるニックトゥーンが、ディズニーに代わって放映を開始する。

 もともと『パワーレンジャー』は、1990年代前半にサバン氏が日本の東映から権利を獲得し、米国向けに大胆にアレンジするというアイディアにより、世界的に大ヒットさせた。この番組を制作していたサバン・エンタテインメントはFOXキッズと合併し、さらにその会社が2001年にディズニーに売却されている。
 これと共に『パワーレンジャー』の権利もディズニーに移り、サバン氏は同作のビジネスから離れることになった。今回のサバン・ブランドによる買収は、およそ9年ぶりにサバン氏が『パワーレンジャー』のビジネスに戻って来ることになる。

 『パワーレンジャー』の作品、権利を購入するサバン・ブランドは、今月、設立が明らかになったばかりの新しい会社である。会社のビジネスはエンタテインメントからファッション、コンシュマーグッズまで広い分野の知的財産・ブランドへの投資である。投資したブランドの再活性化を通じて収益を得るとしている。
 新会社の投資金額は5億ドル以上とされ、巨額の投資金額が注目を浴びていた。その第一弾としてサバン氏にとって馴染み深い『パワーレンジャー』が選ばれたかたちだ。米国ハリウッドレポーターの報道によれば、今回の買収金額は、1億ドル近くとされている。

 『パワーレンジャー』はディズニーがあまり得意でない男児向けの作品で、派手なアクションがウリとなっている。こうしたキャラクターがディズニーに相応しくないともされ、近年はキャラクターブランド力が衰え気味であった。
 ディズニーは男児向けブランドではアメコミヒーローを多数抱えるマーベル・エンタテインメントを昨年末に買収する一方で、『パワーレンジャー』の新作放映を打ち切っている。ブランドとしては宙に浮いたかたちとなっていた。『パワーレンジャー』はサバン氏にとって馴染みのブランドであるだけでなく、サバン・ブランドの目指すブランドの活性化ビジネスに最適だったとも言える。
 
 こうした『パワーレンジャー』のビジネスの枠組変更は、日本の企業に少なからぬ影響を与えそうだ。特に、グロバールに『パワーレンジャー』の玩具を展開してきたバンダイにとって好材料だ。『パワーレンジャー』のブランド低下による関連玩具の落ち込みは、バンダイの海外部門の売上げに少ないない影響を与えている。ブランドが再活性化すれば、玩具売上げの反転も期待出来る。

サバン・キャピタル グループ(Saban Capital Group) http://www.saban.com/