NEC インターネット上の違法動画識別技術を開発

 NECはインターネットにアップロードされた著作権侵害の違法動画ファイルを自動検出する映像識別技術開発に成功したと発表した。この技術はオリジナルの動画からビデオシグネチャと呼ばれる映像識別のための指紋情報を生成し、インターネット上から瞬時に違法な動画ファイルを発見する。
 現在、インターネット上には数多くの違法な動画ファイルが存在し、そのため正規のオンライン動画ビジネスの成長が阻害されているだけでなく、映像パッケージなどの販売にも影響を与えているとされている。政府を中心に違法ファイルの対策が進められており、今回の技術もそうした違法動画対策にも利用される可能性がありそうだ。

 NECが開発した技術では、コンテンツの権利者や配信サービス事業者は、事前にオリジナルの映像を登録する。そのデータをもとに違法コピーを自動検出し、さらに違法アップロードの事前ブロックが可能になるという。
 違法動画の監視はこれまではひとつずつ目で確認することが多かった。しかし、NECによれば、新しい技術を利用することで、自動的に流通監視を行える。高精度、大規模な違法動画ファイルの監視が効率的が可能になるとする。
 NECは今回の技術を5月12日から14日まで東京ビックサイトで開催される第13回組み込みシステム開発技術展に出展し、広く紹介する予定だ。そして、今後もさらに研究開発を進め、制作者の権利を尊重したコンテンツ流通機構の確立に努めるという。

 NECの開発した技術は、違法動画ファイルの監視コストに悩む権利者や動画投稿サイト運営企業にとっては朗報だ。一方でより大きな違法動画対策の効果としては、疑問も残る。
 こうした違法動画検出技術は、これまでも読売テレビの開発した違法動画検索システム「とりし丸」をはじめ、日本女子大やKDDI研究所でも関連技術が開発されている。また、YouTubeなどの大手動画投稿サイトも独自に技術を開発している。

 しかし、現在は、違法配信対策の問題は、実際に違法ファイルを発見したあとの処置の方法にある。今回の技術は大手の商業サイトからの違法ファイルの締め出しには有用だが、それ自体が違法配信問題の全てを解決するわけでない。
 今後は、こうした技術を利用した、企業を超えた取り組みが求め荒れることになりそうだ。

NEC  http://www.nec.co.jp/