電通 米国にエンタメ子会社設立「デルトラクエスト」等展開

 大手広告代理店の電通は4月16日に、アニメやキャラクターのビジネスを展開する新会社電通エンタテインメントUSAをカルフォルニア州サンタモニカに設立した。資本金は35万8000ドル、電通が全額出資する。事業内容は北米エンタテインメント企業とのグローバルな共同事業の開発、オリジナルのアニメーション、キャラクター事業の開発、同社が保有するコンテンツの米国企業へのライセンス販売としている。
 電通エンタテインメントUSAが保有するコンテンツには、日本のテレビアニメ『デルトラクエスト』、オリジナルキャラクターの「豆しば」、それに北米向けに開発・展開する玩具「Chub City」がある。アニメやキャラクターがコアビジネスになると見られる。

 電通は今回の新会社設立について、2008年1月より、同社が日本で培ってきたアニメやキャラクタービジネスのグローバル展開を検討して来た結果としている。同社のビジネスにとって最も効果の高い領域を新しいコンンテンツの開発事業と定めている。
 新会社の事業の最初に現地企業とのグローバルな開発事業、次いでアニメ、キャラクターの開発が挙げられていることからもこれが理解できる。近年、北米で大ヒットとなった『爆丸』タイプの国境を越えた共同製作を視野に入れているようだ。 

 こうした共同開発のプロジェクトは、新会社の立ち上げ以前よりスタートしている。電通エンタテインメントUSAは、米国第3位の玩具企業JAKKSと業務提携を行いアニメーション製作とライセンス販売を行う。
 JAKKSは、現在2011年の主力商品として、男児向けの新玩具「MONSUNO」を掲げている。電通エンタテインメントUSAは、この玩具を原案にアニメーションを共同製作し、さらに北米、ヨーロッパ、アジアの3大地域でライセンス販売を行う。米国を核に、グローバルにビジネスを広げる。電通エンタテインメントUSAとJAKKSは4月中に、こうしたライセンス、グローバル展開を推進する新会社を共同で設立する。

 JAKKSは米国第3位の玩具会社だが、同国の2大玩具企業マテルとハズブロに較べると事業規模はかなり小さい。特に上位2社が独自の有力キャラクターの玩具を多く抱えるに対して、独自のキャラクターがないのが弱味である。今回は、そうしたキャラクター・ライセンスビジネスでノウハウを持つ電通と組むことで、事業の拡大を狙う。
 一方、電通にとっては、JAKKSは自社のノウハウを高く評価し、関連玩具の販売において流通のチャネルを持つ点で魅力的なパートナーである。今後は、両社に不足している、放送メディアや映像パッケージ・配信についてどのような展開が出来るかが鍵になりそうだ。

 こうした米国現地でのコンテンツ創出の一方で、日本産のコンテンツの米国展開も進める。『デルトラクエスト』は、オーストラリアの人気ファンタジーを日本でアニメ化した作品である。既に、オーストラリアのカートゥーンネットワークで放映されている。テレビ放映の北米ライセンスも、カートゥーンネットワークが獲得したとみられる。今後、米国で大きなキャラクターライセンスの展開が期待される。
 また、「豆しば」は電通が開発したオリジナルキャラクターで、豆知識を教えてくれるという設定のユニークな特徴がある。こちらはアニメやマンガに由来するキャラクターとしてでなく、キャラクター独自の展開を行っている。 

電通 http://www.dentsu.co.jp/