TYO デジタル・フロンティアも売却か?日経が報道

 3月26日付の日本経済新聞は、映像・広告制作の大手ティー・ワイ・オーが、傘下のCG制作会社デジタル・フロンティアをパチンコ・パチスロ大手のフィールズに売却する方針であると報じている。ティー・ワイ・オーが保有する同社の発行済株式およそ84%のうちおよそ74%を6億円強で譲渡するとしている。ティー・ワイ・オーの公式な発表は行われていない。
 ティー・ワイ・オーは3月17日に、同社の特撮・VFX制作の子会社である円谷プロダクションの持ち株(発行済株式の51%)をフィールズに売却、また同社自身もフィールズから15%の出資を受けると発表していた。円谷プロダクションの譲渡価格はおよそ11億円、ティー・ワイ・オーによる円谷プロダクションへの貸付金11億円もフィールズが返済すると日本経済新聞は伝える。

 デジタル・フロンティアは社員150名あまりで、日本を代表するCG映像制作会社として知られている。1994年にTYOのデジタル映像事業としてスタートした。企業買収で拡大した同社のエンタテインメント事業子会社の中では、数少ない自社事業からスタートしている。
 国内での映像制作技術に対する評価は高い。アニメーション制作では2004年の劇場映画『APPLE SEED』、2007年『EX MACHINA-エクスマキナ-』、2008年『バイオハザード・ディジェネレーション』を制作し、日本のCGアニメーション制作を牽引してきた。劇場アニメ『サマーウォーズ』や実写映画『デスノート』の制作にも参加するなど、その活躍の場は大きい。近年は好調な業績を維持していた。

 日経新聞の報道どおりであれば、大型ブランドを持つ円谷プロダクションに続く有力子会社の売却となる。ティー・ワイ・オーのエンタテイメント事業領域からの撤退を印象づける。同社のエンタテイメント事業には、アニメーション製作のTYOアニメーションズ、映像制作のルーデンスなどが残る。
 TYOアニメーションズは、2009年にハルフィルムメーカーとゆめ太カンパニーの合併により誕生したアニメーション制作会社である。ティー・ワイ・オーは2009年4月に、別のアニメ制作子会社動画工房をMOBのかたちで売却している。縮小するティー・ワイー・オーグループのエンタテインメント事業の中で、今後のTYOアニメーションズの動向に注目が集まりそうだ。

 一方、デジタル・フロンティアを買収するとされたフィールズは、同社のアニメ企画・製作でアニメーションの3D(立体視)技術を持つルーセント・ピクチャーズエンタテインメント、円谷プロダクションも合わせ、CG関連の映像技術が一気に集まる。この分野で今後大きな力を発揮することになる。
 フィールズの中核事業であるパチンコ・パチスロ遊戯機は、依然巨大市場であるが長期低落傾向にある。今後新たな事業分野のひとつとしてアニメ・CG・VFXなどに注力することになりそうだ。

デジタル・フロンティア http://www.dfx.co.jp/

ティー・ワイ・オー http://group.tyo.jp/
フィールズ http://www.fields.biz/