2009年インドのアニメーション・VFX市場394億円

 3月16日から18日までインド・ムンバイで開催されたFICCI FRAMES 2010において、KPMGとFICCIはインドのメディア・エンタテインメトンに関するマーケットレポートを明らかにした。KPMGは国際規模の大手監査法人グループ、FICCIはインドを代表する企業団体である。
 発表によればインドの映画、テレビ、出版、ラジオ、音楽、アニメーション・VFX、ゲーム、インターネットなどのメディア・エンタテインメント市場規模は、2009年に1兆1700億円に達した。これは前年に比べて1.4%成長で、2008年の12.2%、2007年の16.5%に比べて低い成長にとどまった。2009年の世界的な不況が、インドのメディア・エンタテインメント産業にも少なからず影響を与えたかたちだ。
 しかし、今後の成長については潜在的な成長力が高いとして、今後5年間2014年までに市場は2兆1700億円に達するとしている。年平均13%の成長を想定する。過去に急成長を遂げたインドの勢いは、今後も続くとみられている。

 2009年のインド メディア・エンタテインメント市場のうちアニメーション・VFX産業は395億円と全体の3.4%にとどまっている。インド市場全体の中では小さな存在である。しかし、今後の成長が期待されており、2014年まで全体を上回る年平均19%の成長をし、2014年までに927億円に達するとしている。
 アニメーション・VFX産業の内訳は、アニメーション制作37億円、アニメーション関連サービス64億円と合計でおよそ100億円産業だ。これにVFXが88億円、ポストプロダクション147億円の市場を築いている。

 KPMGによればアニメーション市場の中心は北米、ヨーロッパからのアウトソーシングの受託だという。今後の成長もアウトソージング需要の高まりによるものだと指摘する。一方で、自社独自の作品やキャラクター開発、共同製作が可能なスタジオは限定的なレベルにとどまるだろうと指摘している。
 これまで特にCGアニメーションの受託に強いと指摘されてきたインドのアニメーション業界の特性がKPMGのレポートからも明らかになった。今後インドは、アニメーションの受託に強い他国、韓国、中国、台湾、フィリピンの強力なライバルとしてますます存在感を増しそうだ。
 こうした競争を勝ち抜く強みとしてKPMGは、インドのアニメーション スタジオの価格競争力を挙げている。レポートによればインドの手描き2Dアニメーションの制作コストは米国の1/3から1/4、韓国・フィリピンからも2割から3割低い。3Dアニメーション、フラッシュアニメーションでも同程度の水準である。
 
 このほかアニメーションに関係する数字では、インド全体のホームビデオ市場は85億円、ケーブルテレビと衛星放送の市場は125億円としている。ホームビデオ市場はもともとが小さいにも関わらず、2014年でも147億円と成長力も小さい。
 インドの映画市場が、劇場中心であることを感じさせる。さらにこの中のアニメーションの比率を考えると日本や欧米のような映像パッケージで収入の大きな部分を得るビジネスモデルは、インドでは当面厳しそうだ。
 一方で急成長しているのはゲーム市場である。2009年の市場規模は157億円と小さいが、過去3年間の平均成長率は38.3%、さらに2014年までに年平均32.1%成長を実現するとしている。
 特に現在34億円のモバイルゲームは2014年には68億円に、現在24億円のPC・オンラインゲーム市場は64億円にまで成長する。インドのゲーム市場は、今後コンソール機ゲーム中心から、モバイル・インターネット中心に急速に移行していくようだ。

FICCI FRAMES 2010  http://www.ficci-frames.com/
KPMG(日本) http://www.kpmg.or.jp/