TYO 円谷プロをフィールズに売却 資本提携も実施 

 映像制作の大手ティー・ワイ・オーは、特撮・VFX映像製作子会社の円谷プロダクションを大手パチンコ・パチスロ機製造のフィールズに売却する。3月17日、ティー・ワイ・オーとフィールズの両社から発表された。
 ティー・ワイ・オーは円谷プロダクションの発行済株式の51% 51000株を保有しており、この全株式をフィールズに譲渡する。譲渡価格、決済方法は未定としているが、今後詳細を詰めたうえで、4月上旬には株式譲渡を完了する。また、円谷プロダクションの株式の残り49%は玩具大手のバンダイが保有しているが、こちらは引き続き大株主にとどまるとみられる。

 円谷プロダクションは、1960年代初頭に設立された日本を代表する特撮映画の製作会社である。「ウルトラ」シリーズや『ミラーマン』、『怪獣ブースカ』などの代表作がある。しかし、2000年代に経営状況の悪化が明らかになり、2007年にティー・ワイ・オーが買収した。
 買収後、経営状況は急速に改善し、平成21年7月期決算では売上高35億7700万円、営業利益3億7400万円、経常利益3億2800万円、純利益2億3800万円を計上した。経営好調のなかの売却だけに、やや意外感がある。
 ただ、円谷プロダクションが手掛ける特撮映画は、通常の映画、テレビ番組に比べて製作予算が大きくなる傾向がある。企業再編を進めるティー・ワイ・オーにとっては、今後の事業を展開するうえでこうした投資資金が負担となったともみられる。

  ティー・ワイ・オーはエンタテイメント事業領域で、ゲーム事業、音楽事業から相次いで撤退している。今回はさらに特撮・VFX事業からも撤退することになる。かつてティー・ワイ・オーが目指した総合エンタテイメント企業の青写真は、大幅に後退する。
 いずれも同社のコアであるコマーシャル映像制作、ウェブ事業などの広告関連事業に企業資源を集中させることを事業撤退の理由としている。このため今後は収益化に苦しんでいる非広告関連事業であるアニメーション事業 TYOアニメーションズの行方にも関心が集まりそうだ。さらに、今回優良子会社の売却が行われたことで、他の映像関係の優良事業であるCG分野についても新たな可能性があるかもしれない。

 一方、遊戯機関係のフィールズによる特撮映像会社の買収も、やや意外に映るかもしれない。しかし、フィールズは現在既にアニメ企画・製作のルーセント・ピクチャーズエンタテインメントを子会社にしている。アニメ事業に特撮・VFXが加わることになる。
 ルーセントピクチャーズは、3D(立体視)映像の技術開発にも力を入れている。最新の3D技術と円谷プロダクションの特撮・VFXの融合といった展開も今後期待できる。
 さらにキャラクター関連事業に力を入れるフィールズにとって、円谷プロダクションの保有する『ウルトラマン』の権利は大きな魅力となっただろう。

 また、フィールズはティー・ワイ・オー自体にも資本出資する。現在ティー・ワイ・オーが保有する自社株14.98%を、第三者割当を利用してフィールズが引き受ける。フィールズは、ティー・ワイ・オーの第2位の大株主となる。
 引受株価は今後決定されるが、譲渡金額は20億円から25億円程度みられる。ティー・ワイ・オーは、自己株式の売却によって得た利益を既存事業の運営資金充てるとしている。

円谷プロダクション http://m-78.jp/profile/

ティー・ワイ・オー http://www.tyo.co.jp/
フィールズ http://www.fields.biz/