「ドラゴンボール改」米国放映決定 ニコロデオン系放送局で

 3月11日、米国の大手子供向け専門放送局ニコロデオンは、ニューヨークで開催した「Nickelodeon Upfront Event」にて2010年から2011年にかけての新作ラインナップを発表した。このなかで同局は、2010年5月からアニメーション専門チャンネル「ニックトゥーン(Nicktoons)」にて、『ドラゴンボール改』の放送をスタートすることを明らかにした。
 ニコロデオンは米国最大の子供専門チャンネルグループで、この分野で世界最大の視聴世帯数を誇る。今回の決定で『ドラゴンボール改』の米国での大掛かりな放映がスタートすることになる。

 『ドラゴンボール改』は、日本では2009年4月よりテレビ放映の始まり人気を集めている。1989年から96年にかけてテレビ放映された『ドラゴンボールZ』を、原作者鳥山明さんの監修のもと新たなかたちで甦らせた。
 米国では今年2月に大手のアニメーション流通会社ファニメーションが映像ビデオパッケージ、キャラクターなどのライセンス獲得を発表したばかりである。今回の大手放送局での放映決定で、関連ビジネスの展開にもはずみがつく。また、シリーズのリバイバル人気が期待される。 

 これまで『ドラゴンボール』シリーズは、米国の別の大手アニメーション専門チャンネルであるカートゥーンネットワークで放映されてきた。大型タイトルの放送局間の移籍となる。カートゥーンネットワークで放映されていた日本アニメの大型タイトルでは、2009年にも『NARUTO』シリーズがディズニーXDへ移籍している。これはカートゥーンネットワークが近年強めている日本アニメ離れと同時に、両局の男児向けの番組の強化策を反映しているとみられる。
 ニコロデオンはこれまで日本アニメのテイストを大きく取り入れることで成功した『アバター 伝説の少年アン』など日本アニメに大きな関心を寄せてきた。しかし、日本アニメ自体の放映はほとんどなかった。ニコロデオンはその視聴世帯数の大きさから大衆向けのコンテンツを望んでおり、ニッチな傾向が強い日本アニメがこれそぐわなかったと考えられる。同時に同局のコンテンツ自前主義なども理由かもしれない。

 しかし、2009年にこうした流れに変化が起こり始めた。ニックトゥーンは、主力タイトルに『アイアンマン』、『ウルヴァリン』、『ファンタスティック・フォー』といったマーベル・コミックス系で固めてきた。昨年末にこのマーベルがライバル会社のウォルト・ディズニーに買収されたことで、マーベル以外からの新たなコンテンツの調達が課題として浮上している。
 今回発表されたニックトゥーンでの新作は『ドラゴンボール改』を含めて3作品、ほかは『Voltron Panthera Force』と『ミュータント忍者タートルズ(Teenage Mutant Ninja Turtles)』である。マーベル作品は含まれていない。

 『ミュータント忍者タートルズ』は、昨年、ニコロデオンがその全ライセンスの権利を買収したばかりの人気作品、『ボルトロン: Voltron』は『百獣王ゴライオン』など日本の複数のアニメを再編集した米国独自のアニメ作品だ。1980年代に人気を博し、根強いファンを持っている。いずれも長年にわたり広く知られたブランドキャラクターである。
 ニコロデオンはマーベル作品の替わりに、こうしたブランド力の高い外部のアニメーションを取り込む構えのようだ。今後も、さらなる男児向けのコンテンツ強化が予想される。
 また、今回挙がった『Voltron Panthera Force』は、World Events Production がKick Start Productionと協力した作品とされている。これが旧作の『ボルトロン』とは異なる米国で独自に製作する新作とみられている。

ニコロデオン(米国) http://www.nick.com/