「ATOM」「TMNT」のイマジ社 米国・香港の制作スタジオ閉鎖

 香港とハリウッドをベースに、CGアニメーションを制作してきたイマジ・インターナショナル(Imagi International Holdings Limited)の事業が大きな岐路を迎えた。
 同社は企業経営の存続を目指すとの理由で、完全子会社のアニメーション制作スタジオ イマジ・プロダクション(Imagi Production Limited)を清算することを明らかにした。イマジ・インターナショナルは、2月5日に同社の清算を裁判所に申し立て、清算人の指名を受けた。同社のおよそ250名の社員は解雇された。

 イマジは1月には、潜在的な投資家の要請として、既に大幅に縮小していた米国のスタジオをはじめとする米国の現地法人全てから撤退すると発表したばかりであった。しかし、最終的に新たな投資、出資を受けることは出来ず、香港のスタジオ業務も閉鎖することになった。これによりイマジグループは、自社によるCGアニメーション制作全てから撤退することになる。

 今後イマジは、現在保有する作品の権利ビジネスの展開とイマジ・サービスを通じたCG映像のクリエイティブ・企画、プリプロダクションに特化する。また、CGアニメーション制作はアウトソーシングを活用し、世界各地のスタジオ・プロダクションへ委託する方針だとする。また、さらなるコスト削減を進め、引き続き新たな出資者の可能性を探る。
 一方で、『ATOM』のような大作映画のプロジェクトは引き続き行うとしている。少なくとも2本のアニメーション映画の企画が進行中とするが、スタジオの廃止と新たな資金調達の必要から当面の事業後退は避けられないと見られる。

 イマジは、アジアを代表するCGアニメーション製作会社として知られている。2009年に『鉄腕アトム』を原作にして制作した『ATOM』を世界公開したほか『TMNT』などのヒット作がある。
 しかし、『ATOM』の製作予算が当初の見込みより拡大したことから、映画制作中より資金繰りは大幅に悪化していた。たびたび、大掛かりな増資が行われていた。昨年秋の中間決算ではおよそ80億円の赤字を計上し、再び新たな出資を模索していた。

 イマジは『ATOM』の次回作として、日本のアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』を原作に3DCGの大作映画『Gatchaman』の制作を進めてきた。イマジが現在も企画を進める2本の映画のひとつとみられる。しかし、同社の技術の基盤となってきたハリウッド、香港のスタジオがなくなることで、『Gatchaman』の今後の行方は不透明となってきた。
 同様にイマジは『鉄人28号』の映画化権を獲得し、さらに日本の様々な権利者のアプローチを行ってきた。イマジのCGアニメーション制作事業が事実上崩れたことは、日本の関係者にも少なからず驚きを与えそうだ。

イマジ・インターナショナル(Imagi International Holdings Limited)
http://www.imagi.com.hk/