バンナム ゲームと映像・音楽を統合 コンテンツ事業部門

 バンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)は2010年4月より、現在4つある事業領域ごとの戦略ユニットを3つに統合することを明らかにした。これまでバンダイナムコゲームスを主幹企業としていたゲームコンテンツ事業とバンダイビジュアルが主幹企業の映像音楽事業を統合し、コンテンツ事業に統合する。主幹企業はバンダイナムコゲームスになる。
 統合にあたって、バンダイナムゲームスの鵜之澤伸代表取締役社長は代表取締役副社長となり、新たにホールディングカンパニーの石川祝男代表取締役社長が同社の代表取締役社長に就任する。
 また、バンダイビジュアルの川城和実代表取締役社長が副社長に就任し、新たにバンダイナムコゲームス常務取締役の大下聡氏を代表取締役社長とする。これによりコンテンツ事業ユニットはホールディングカンパニー直轄の色合いが強くなる。バンダイナムコHDのこの分野にかける意気込みの大きさが伺われる。

 バンダイナムコHDはコンテンツ事業の統合にあたり、これまでの会社の枠にとらわれず組織を「プロデュース」と「パブリッシャー機能」の2つに分類するとしている。これにより変化の激しいコンテンツ事業ビジネスを生き残るとする。
 「プロデュース」と「パブリッシャー機能」に事業を切り分けた場合、アニメ企画・製作のサンライズはプロデュース、映像パッケージのバンダイビジュアルはパブリッシャーといった考え方が出来る。一方、バンダイナムコゲームスではゲームソフト開発部門とゲーム営業部門がふたつに分けられる。音楽事業のランティスも同様だ。
 
 バンダイナムコHDは2つをバーチャル組織とし運営・管理を行うとしているが、実際には将来的な企業分割再編を含みと考えるのが合理的だろう。そうなるとゲーム・アニメ・音楽のプロデュース、ゲームソフト、映像ソフト、音楽ソフトの発売・流通といった括りが考えられる。
 パブリッシャー機能が統合すれば、現在、ゲームソフトと映像・音楽が別々に展開する流通網が相互に利用出来るようになり、グループの販売力は大幅に向上する。流通網が限定的な海外でも大きな力を発揮するだろう。
 さらに、今後は、現在、オンラインゲーム、モバイル、映像配信、インターネットショップといったグループ各社で様々な重複が見られるインターネット・モバイル事業の統合も視野に入ってくるかもしれない。コンテンツ創出やテクノロジー、流通・マーケティングで、ゲームやアニメのビジネスが急接近するなか、コンテンツ戦略ユニットの設立は合理的な判断である。

 一方で、こうした統合の負の面もある。今回統合されるゲームコンテンツ事業と映像音楽事業は、今期第3四半期まででいずれも営業赤字で、売上を減らしている。傍から見れば弱者連合、あるいはリストラのための環境づくりと見られる可能性も高い。
 実際にバンダイナムコHDは、バンダイナムコゲームスで希望退職者募集ややバンダイビジュアルで早期退職優遇制度を利用した人員削減を行っている。3月末までグループ全体の社員はおよそ10%約630名が削減されるという。
 また、コンテンツの創出は個人や小さなグループの才能に負うことが少なくない。組織の巨大化による硬直性が、逆にこうしたコンテンツ創出環境を損なう可能性もあるかもしれない。バンダイナムコホールディングスは、今後数年間、将来への飛躍に向けた重大な岐路に立つことになる。

バンダイナムコホールディングス http://www.bandainamco.co.jp/