藤津亮太のテレビとアニメの時代 第13回 「原作付き・プライムタイム」/「オリジナル・夕方」

藤津亮太のテレビとアニメの時代
第13回 「原作付き・プライムタイム」/「オリジナル・夕方」

藤津亮太
1968年生まれ。アニメ評論家。編集者などを経て、2000年よりフリーに。著書に『「アニメ評論家」宣言』(扶桑社)。編著に『ガンダムの現場から』(キネマ旬報社)など。アニメ雑誌、そのほか各種媒体で執筆中。
ブログ:藤津亮太の 「只今徐行運転中」 http://blog.livedoor.jp/personap21/

 前回、’82年を境にハイターゲット(中高生を視聴者と想定した)作品が増えているという状況を確認した。
 では今回は、それが各局の中でどのように編成されているかを見ていきたい。まず’82年


*上記画像クリックで表拡大

 ’82年にスタートしたハイターゲット作品(●印)は10作。’81年の5作品と比べ倍に増え、’81年からの継続と合わせると全13本のハイターゲット作品が放送されていた。
 各局がどのようにアニメを放送していたかを見ると、フジテレビがハイターゲット作品を5本を放送し、一番力を入れていることがわかる。
 フジテレビのハイターゲット作品は、いずれも人気のある漫画原作で、放送時間帯も19:00台のプライムタイムである。

 これに対して注目したいのが、ポスト・ガンダムを狙って制作されたロボットアニメ群。
 TBS(MBS)の『超時空要塞マクロス』は日曜午後2時、テレビ朝日(名古屋テレビ)の『戦闘メカザブングル』は土曜17時30分。日本テレビの『魔境伝説アクロバンチ』『六神合体ゴッドマーズ』が金曜17時台で、テレビ東京の『太陽の牙ダグラム』も同様だ。
 このほかテレビ東京では、火曜17時55分から『銀河烈風バクシンガー』を、またハイターゲットではないが『機甲艦隊ダイラガーXV』を水曜17:55分から放送している。
 ロボットアニメが主に夕方に集中しているのは、有名原作を持たないため視聴率が望めないが、視聴率よりも玩具のセールスがより重視されるという番組の特性に寄るところが大きい。
 『機動戦士ガンダム』が社会現象になったとはいえ、ロボットアニメというのはTV的にはメジャーとは言い切れない存在であったることがこの放送時間帯から透けて見える。
 こうして見ると「原作付き・プライムタイム」/「オリジナル・夕方」という構図は、’80年代初頭の番組表の上ではっきりと出来上がっている。

 そしてアニメブームの中で、アニメ雑誌を中心に盛り上がったのは、むしろマイナーなポジションにあった「オリジナル・夕方」の作品が中心だった。
 ロボットアニメではないが、(本来のターゲットではない)男性ファンにも強くアピールした『魔法のプリンセスミンキーモモ』も、テレビ東京・夕方というマイナーなフィールドの放送だ。
 では’84年に向けて、ハイターゲット作品が増えていく中で、「原作付き・プライムタイム」/「オリジナル・夕方」という構図が変わるのか、変わらないのか、次回はそこについて考えたいと思う。