経産省22年度予算 コンテンツ人材関連事業に新規8億円

 12月25日に発表された平成22年度経済産業省予算案において、コンテンツ産業の人材発掘・育成事業に新たに8億円に新規事業予算が計上された。この事業は商務情報政策局文化情報関連産業課の管轄となる。
 経済産業省は、国内のコンテンツ産業の競争力の源泉はクリエイターなどの人材の創造力にあるとする。そのうえでコンテンツ産業の国際競争力を強化するためには、創造力の持続と再生産が行われる仕組みの構築が必要とし、若手の人材を発掘、育成することで、こうした創造力の維持、拡大を目指す。
 
 具体的な事業内容として、映像制作を通じた若手クリエイターの発掘、若手クリエイターの海外教育機関への派遣、そしてアニメ制作のための人材育成の3つが掲げられた。コンテンツ産業の中でも特に映像産業、そしてアニメ産業にも力が入れられている。

 アニメ人材の基礎力向上事業とされた実施計画では、アニメ制作会社と専門教育機関が連携し、アニメ人材育成とアニメ用3D技術人材の育成カリキュラムを策定する。カリキュラムは検証のうえ、大学などの教育機関への普及を図る。
 これまでも経済産業省は、アニメーター育成事業やアニメ制作会社の事業環境の問題に取り組んできた。しかし、その中心は2Dアニメとなっていた。同省が3Dアニメの技術と育成に本格的に取り組むのは今回が初めてになる。事業計画にアニメ用3D技術の人材育成が盛り込まれたことは、同省の新しい方向性を感じさせるものだ。

 若手クリエイターの発掘では、優れた企画の選定とそのクリエイターの短編映像制作の支援が中心となる。さらにその作品を国際映画祭やウェブなどで紹介するほか、映画製作プロデューサーにアプローチする手段とする。
 また、海外研修事業では、カリフォルニア大学ロサンゼルス校映画学部などに若手クリエイターを送る。映像の最先端のノウハウの吸収や国際的な人脈づくりの機会とすることを目指す。

 一方で、同じ商務情報政策局文化情報関連産業課が管轄し、事業仕分けの対象とされたコンテンツ産業強化対策支援事業は、仕分けの際の判断どおり削減となった。年間予算はこれまでの18億7000万円から10億円に引き下げられた。コンテンツ産業強化対策支援事業では、中小のコンテンツ事業者の海外展開支援とクリエイター中心の新たなビジネスモデルの整備を目指す。
 海外展開では、コンテンツ分野の国際見本市を統合するコ・フェスタを引き続き開催する。同時に、フランス・ジャパンエキスポなどにコ・フェスタを出展し、直接海外でも事業の展開をはかる。さらに2009年に行われたアジア・コンテンツ・ビジネスサミットも引き続き開催する。
 新たなビジネスモデルでは、主に著作権処理の複雑さをなくしたコンテツ取引システムの構築を試みる。さらに収益モデルを構築し、実証実験までを行う予定だ。

 コンテンツ産業強化対策支援事業は、事業仕分けの結果8億7000万円減額されることになった。しかし、同じくコンテンツ産業の基盤強化を目的とする人材発掘・育成事業に8億円が新規計上された結果、コンテンンツ産業強化に関わる予算は、全体では7000万円の微減に留まった。
 国のコンテンツ産業への関心、そして重要産業としての育成・振興の方針は、新政権以後も引き継がれることになりそうだ。

経済産業省 http://www.meti.go.jp/