セミナー「アニメツーリズムの可能性」 アニメを活用した地域活性の成功例を紹介 【AJ2017レポート】

3月25日、AnimeJapan 2017のビジネスセミナー「アニメツーリズムの可能性」が開催された。自治体や企業の関係者が登壇し、アニメをテーマにした観光事業の成功例について体験談を語った。

近年はアニメの舞台となった場所を実際に訪れる、いわゆる“聖地巡礼”と呼ばれるファン活動が人気を博している。セミナーではアニメを活用した地域活性の実例が語られるだけに、会場は立ち見も出るほどの盛況を見せた。
パネラーには自治体から合同会社福成の若林福成、企業からは株式会社ナガトヤの板津啓二が登壇。モデレーターはやまとごころ代表取締役の村山慶輔が務め、それぞれの具体例を交えながらディスカッションを行った。

合同会社福成は『らき☆すた』の舞台となった鷺宮神社の前にある酒屋店舗を活用しビジネスを展開してきた。アニメの“聖地”で作られた地酒を“聖地酒”と位置づけることによって、20代から40代までのアニメファンの認知度をアップさせた実績を持つ。
株式会社ナガトヤはアニメにまつわる土産物を企画・開発している。2000年に『サザエさん』のまんじゅうを販売したことで、アニメビジネスに参入し、その後も「エヴァンゲリオン」シリーズや『君の名は。』などの商品を送り出している。

まず板津は成功のポイントに「地域性」を挙げた。『サザエさん』は長谷川町子美術館がある桜新町に根付いており、「エヴァ」も第3新東京市に位置する箱根町限定で商品を売り出すことで話題を集めた。地域色を全面に出して、そこでしか買えないアイテムだとアピールすることによって、特別な価値を創出していった。
若林はファンとの対話が成功には欠かせないと語る。ネット掲示板やSNSをチェックしたり、イベントでアイデアを直接聞いたりしつつ、ファンの予想の斜め上を行くような企画を錬っていった。たとえば酒も単にアニメのラベルを貼り付けたものではなく、ツンデレのキャラであれば「ガツンと来たあとに甘さが感じられる」ような味わいにするなど、作品への愛情が感じられるような作りにしているそうだ。

また地域の住民にファンを受け入れてもらうのも重要な要素である。若林は『らき☆すた』ブームの際には、地域のお祭りにファンを引き込むような企画を実施することで、住民との間で信頼関係が構築されていったと明かす。根津も「ファンだけでなく企画を地域に根付かせること」の大切さを口にした。
最後にアニメツーリズムに参入したい人に向けての、若林は「地域の人たちにお金を回すことができる企画作りを目指すこと」の大切さを説いた。たとえば地酒を盛り上げれば、自然と飲食店にもその効果が波及していくことになる。点と点を結ぶことで地域の活性化を巻き起こしていく。そしてアニメを利用するのではなく「地域でアニメを支える」という意識を持ち、WIN-WINの関係を構築することが成功の鍵だとメッセージを伝えた。
[高橋克則]

AnimeJapan 2017
ビジネスエリア:2016年3月23日(木)~3月24日(金)
メインエリア: 2016年3月25日(土)~3月26日(日)
場所:東京ビッグサイト

[アニメ!アニメ!/animeanime.jpより転載記事]