「福岡をゲームのハリウッドに」 第2回ゲームフロンティア in 福岡

 3月14日、福岡市のアクロス福岡で「第2回ゲームフロンティア in 福岡」が開催された。ゲームフロンティア in 福岡は、九州・福岡のゲーム産業の認知の拡大、ゲームクリエイター志望者の意識啓発を目的に行なわれている。
 このなか企画のひとつゲームクリエイターズ・セミナーでは、「ゲーム業界の視点で捉えた未来のエンターテイメント産業」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。パネリストにレベルファイブの代表取締役社長・日野晃博氏、カプコンのプロデューサー・小林裕幸氏、ガンバリオンの代表取締役社長・山倉千賀子氏、サイバーコネクトツーの代表取締役社長・松山洋氏が登壇した。小林氏は「『戦国BASARA』シリーズ等におけるゲーム制作の意気込み」と題した基調講演も行なった。

 ディスカッションでは、まず海外展開に関して語られた。ゲームの展開では、以前は日本で発売したゲームソフトを半年くらいかけてアメリカ版、それからまた半年くらいかけてヨーロッパ版とローカライズしてリリースしていたという。
 しかし今では日本で売って損益分岐点を越えればあとはおまけという感じではなく、最初から同時発売のために、売り上げまでを含めて欧米を視野に入れた開発が行われている。
 また開発するにあたり、例えば格闘ゲームよりもRPGの方がテキスト翻訳などで手間がかかるほか、日本とアメリカはNTSC、ヨーロッパはPALと、リージョンなどの規格が異なる点も挙げられた。

 サイバーコネクトツーの松山氏は、「『.hack』について国内向けに作ったけれど結果的に海外でも受けたと紹介した。『NARUTO』に関しては、国内も意識しつつ海外で」と、自社オリジナルの『.hack』と既に海外での評価が高い原作ものである『NARUTO』について触れた。
 レベルファイブの日野氏は「『レイトン教授』は日本向けに作ったタイトルだけども、海外ではヨーロッパで110万本売れた」。設定の綿密さも相まって「その売り上げの殆どがイギリスで、イギリスのために作ったと勘違いされた」そうだ。

 そして話は据え置き機と携帯機との住み分けにも及んだ。日野氏は「10年前のプレイステーション全盛時代に比べると据え置き機での売れ行きが落ちていて、ユーザーがハードウェア選びに慎重になっている」と述べた。その反面、松山氏は「ユーザー層がハッキリしていて、密度が上がって長く遊べるようになっている」点も補足した。
 一方、ニンテンドーDSが出たあたりから女性のユーザーが増えてきたことについて松山氏から聞かれると、ガンバリオンの山倉氏は「昔はゲームやってる女の人なんてみたいな言われ方してたけれど、最近はゲームやってなかった人もDSやPSPを持っている」と答えた。
 さらに日野氏は自社の『イナズマイレブン』が小学生をターゲットにしていることを引き合いにして、「ライトユーザーに受けているDSは小学校の低学年、高学年はPSP」だと分析している。これらについてカプコンの小林氏は、「クリエイターからすると、中身がいいものを作ればそれで終わってるのに、どのハードでリリースするのかという別の思考が入ってくるのでわずらわしい」との悩みがあるとした。

 最後に福岡でゲーム開発をすることで締めくくられた。福岡でのスタッフの通勤時間が5分や10分であることを踏まえて、山倉氏は「クリエイターにとって大切なのは、心のゆとりを生み出す時間と環境」であると話した。
 松山氏は「何で福岡そんなに盛り上がってるんですか?って聞かれる。盛り上がってるんじゃなくて盛り上げているんだと。我々がいい環境で仕事してるからなんですよ」と応じた。
 そもそも日野氏が2003年にGFFを始めたのは、地方で人材を集めることの大変さを痛感したからだった。「福岡をゲームのハリウッドにしようって言ってきたけど、最近はいけるかもって思えるようになってきた。ちゃんとヒットさせることが出来て、コツを掴んだ気がしている。福岡にいてもいいものを作ればちゃんと評価してくれる」。

 3月18日から始まる東京国際アニメフェア2009では、最終日21日にレベルファイブのゲームを原作としたテレビ東京系列で放送中のアニメーション『イナズマイレブン』のステージイベントが催される。
 カプコンもまた同日に、4月からTBS系列で放送が開始されるアニメーション『戦国BASARA』のステージイベントを行う。
【真狩祐志】

福岡ゲーム産業振興機構 http://www.fukuoka-game.com/
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