東映アニメーション通期増収増益 「ドラゴンボール」好調、海外向け・ゲーム関連などが牽引

アニメ製作大手の東映アニメーションは5月12日に、2016年3月期の通期決算を発表した。映像事業、版権事業とも好調で、増収増益と好調を維持した。とりわけ利益の伸びが大きかった。
通期連結売上は好調だった前年の303億1300万円を10.9%上回る336億1200万円。また営業利益は76億3500万円、経常利益は79億9500万円とそれぞれ91.1%増、100.9%増である。当期純利益は51億4500万円(111.1%増)と、利益ではいずれも前年比のほぼ倍の水準だ。

利益面ではアニメーション制作や販売の映像製作・販売事業の貢献が大きかった。売上高は前年並みの140億500万円(1.1%減)にとどまったが、セグメント利益が32億9800万円と115.4%増 の大きな伸びとなった。売上げを支えたのは海外向けの映像販売で、『ワンピース』やドラゴンボールシリーズなど中国向けの映像配信権が好調、また円安効果も収入増となった。
また劇場アニメ部門、テレビアニメ部門とも制作収入は減少した。映画はプリキュアシリーズ、デジモンアドベンチャーシリーズ、『ドラゴンボールZ 復活の「F」』で、期中6本を公開したが、大型作品の『ドラゴンボールZ 復活の「F」』の制作収入が前年度に計上されているためである。テレビアニメ部門は8作品を手がけたが、こちらも放映本数が前年より減った。

版権事業は売上高138億300万円で前年比34.7%増と、こちらは売上高の伸びに寄与した、セグメント利益も61億5700万円(50.0%増)と伸び、引き続き業績に貢献している。
なかでも大きな役割を果たしたのが、期間中に映画を公開、新作テレビシリーズも新たに始まったドラゴンボールシリーズである。国内向けにはアプリゲーム『ドラゴンボールZドッカンバトル』とシリーズの商品化、海外向けには欧米向けの家庭用ゲーム『ドラゴンボールゼノバース』が好調であった。
またアプリゲームも収益を支えており、『ドラゴンボールZドッカンバトル』のほか『ワンピース』のアプリゲーム化権の販売もあった。海外向けでも中国での『ワンピース』ゲーム化権や「聖闘士星矢」シリーズのアプリゲーム化権が大幅な増収につながった。

長年人気の大型タイトルの多角的事業展開が、全体の好調を支えたことが見て取れる。なかでもアプリゲームを中心としたゲーム化、海外向けのライセンス事業、映像配信といった成長分野での拡大が目立つ。
一方、東映アニメーショ、ン自身もテレビアニメーションの視聴率低下傾向や映像パッケージ市場の低迷に言及するなど課題も挙げている。そうしたことから今期の連結業績予想を売上高305億円(9.3%減)、営業利益57億円(225.4%減)、経常利益60億円(25%減)、当期純利益38億円(26.2%減)と見通している。