行政刷新会議仕分け対象にコンテンツ産業強化対策事業

 国民的な観点から国の予算、制度、その他の行政のあり方見直しを行うとして、民主党新政権のもと行政刷新会議がこの秋に設けられた。行政刷新会議の現在の大きな役割は、国家予算の総額拡大に歯止めをかけるべく、現在、予算要求にあがっている事業の精査を行い、その必要性を判断するいわゆる「事業仕分け作業」である。
 行政刷新会議は鳩山由紀夫首相を議長とし、他の事業との重複の可能性や緊急性が低い可能性がある事業をリストアップしている。そうしたリストを精査し、事業継続や中止などの判断を行う。

 この事業精査の仕分け作業の対象事業に、経済産業省のコンテンツ産業強化対策支援事業予算が挙がっている。コンテンツ産業強化対策支援事業は、映画や音楽、アニメ、マンガといった知的財産を基盤にするエンタテイメント産業の産業振興、育成を目的に行われているものである。検討対象事業のひとつとして、経済産業省の中では30余りの事業と伴に挙げられた。
 この30余りの事業の中には、日本貿易振興機構運営費交付金も含まれている。日本貿易振興機構の事業の中にも、各国のアニメや映画、マンガ、映画、音楽の市場調査や見本市出展を通じた中小コンテンツ産業の育成事業が含まれている。コンテンツ事業育成振興事業が、いずれも仕分け対象事業にされたかたちである。 
 経済産業省は、現在、サイトにて、この平成22年度予算要求事業に関する事業仕分けについての意見募集を行っている。

 一般からは普段は判り難いコンテンツ産業強化対策支援だが、平成21年度に行われた事業にはジャパン国際コンテンツフェスティバルやアジアコンテンツビジネスサミットの開催、海外展示会などでの日本のコンテンツのPR活動が含まれている。
 そうした場を通じて、国内コンテンツ関連企業と海外企業のビジネスマッチング、産業振興を行っている。世界的な人気とは裏腹に、日本のコンテンツ産業の力は弱い。そうした中で日本のコンテンツを世界に発信し、ビジネスにつなげる数少ない機会となっている。
 また、アニメ産業における下請モデル契約書の策定や、2009年から着手しているアニメ産業での下請取引ガイドラインの策定などもこの産業支援に含まれる。今後、拡大が予想されるインターネットでのコンテンツ流通などを含む、新たなコンテンツ取引システムも、この事業の領域となる。

 平成21年度はコンテンツ産業強化対策支援事業予算として18億7400万円を計上していた。また、平成22年度は14億2400万円を予算要求としている。
 今回仕分け事業の対象として同事業が廃止とされれば、日本のコンテンツを産業として発信する機能は大幅に後退する可能性が強い。海外で文化として評価されるだけでなく、国内のクリエイター、産業関係者に利益が入るためにも、存続を期待したいところだ。

行政刷新会議 http://www.cao.go.jp/sasshin/
経済産業省 http://www.meti.go.jp/