ブロッコリーの筆頭株主にハピネット 第三者割当増資での調達資金40億円はコンテンツ開発に

2015年11月20日、ハピネットとブロッコリーは資本業務提携を発表した。ブロッコリーが新たに普通株式を発行し、第三者割当のかたちでハピネットが総額約40億円で引き受ける。ハピネットはブロッコリーの発行済株式の25.15%を保有することになる。現在の最大株主のアニメイト(持株比率10.38%)を上回る筆頭株主となる。
12月9日に、割当増資が実施され、その後ブロッコリーはハピネットの持分法適用関連会社となる見込みだ。アニメイトの持分は7.78%に下がるが、引き続き大株主にとどまる。

資本関係構築に加えて、事業での協力も深める。ハピネットはブロッコリーの持つコンテンツと開発力を活用し、映像音楽、ビデオゲームでのヒット創出を目指す。またハピネットの流通システムを活かした新コンテンツの開発、流通チャネルの開拓を共同で推進する。
ハピネットは玩具、映像音楽ソフト、ゲーム機器・ソフトの物流大手。バンダイナムコホールディングスの関連会社として同グループとの取引で強みをみせる。一方で、2013年にはタカラトミー系の同業トイズユニオンを、2009年は映像音楽ソフト物流のウイントを買収するなど、M&Aでの事業拡大に積極的だ。
しかし、主要事業のうち映像音楽ソフト、ゲームソフトなどはデジタル流通が増加しており、今後市場が縮小する可能性が高い。そのなかでハピネットはコンテンツ開発にも力を入れている。映像製作では2016年公開の映画『残穢(ざんえ)-住んではいけない部屋-』、アニメでは『俺がお嬢様学校に「庶⺠サンプル」としてゲッツされた件』の幹事会社を務める。ゲームソフトでは、『ちゃおイラストクラブ』『ニコ☆プチガールズランウェイ』など女子向けのタイトルを展開する。ブロッコリーとの提携もコンテンツ重視のひとつだろう。

一方、ブロッコリーは1994年に設立、キャラクター関連グッズの小売チェーンとしてスタート後、キャラクターや関連商品の開発を手掛けるようになった。現在は『うたの☆プリンスさまっ♪』や『Z/X』などのヒットコンテンツがある。
資本関係はこれまでたびたび大きく異動してきた。2003年にタカラ(現タカラトミー)の子会社になった後、2005年にはタカラがガンホー・オンライン・エンターテイメントに持株を売却。2010年にアニメイトと資本業務提携を結び、さらに2011年に小売店舗事業と通信販売事業をアニメイトに売却している。ブロッコリーにとっては、ハピネットは4回目の企業グループ入りとなる。
しかし今回の資本提携はブロッコリーにとって前向きなものだ。女性向けコンテンツ『うたの☆プリンスさまっ♪』の大ヒットもあり、同社の業績は過去数年好調だ。2015年2月期の売上げは62億5600万円、営業利益は14億7000万円、経常利益は14億8400万円である。
しかし、ブロッコリーは今後も新たなコンテンツ開発を目指す中で、開発費用が十分でないとの判断もあったようだ。今回調達する約40億円のうち24億円は現在、企画・開発中のコンテンツの費用に充てられる。さらにそれらのマルチメディア展開に6億3100万円、広告宣伝費に8億3000万円を投じるとしている。今後、ブロッコリーから大きなプロジェクトが発表される可能性が高そうだ。そうしたプロジェクトの展開にハピネットが協力することになるだろう。
[数土直志]