KADOKAWA・DWANGO第1四半期 書籍、情報メディア、ライブ各事業が厳しく

総合エンタテイメントの持ち株会社KADOKAWA・DWANGOが、平成28年3月期第1四半期の決算を発表している。同社は2014年10月にKADOKAWAとドワンゴのエンタテインメント2社の経営統合のため設立された。KADOKAWAとドワンゴを全額出資の子会社としている。
KADOKAWAは書籍、マンガ、アニメ、映画、ゲームなどを作りだすコンテンツ企業、DWANGOはそうしたコンテンツをインターネットなどで配信するプラットフォーム企業で、両者の統合として話題になった。統合から半年、新年度最初の四半期の決算が注目されたが、全体に厳しい数字になっている。

連結売上高は469億600万円、営業利益は11億4500万円、経常利益は16億4800万円、四半期純損失が2億2000万円となった。比較対象になる第1四半期の時期が異なっていることから、決算短信では前年同期比は発表されていない。しかし、今期の第1四半期(15年4月-6月)の売上高は2014年10月-12月、2015年1月-3月のいずれと比べても落ちている。弱含みと言っていいだろう。
KADOKAWA・DWANGOでは、書籍IP事業、情報メディア事業が減収と説明する。一方で利益面ではポータル、ゲームの両事業が好調で、ゲーム事業が黒字回復したとする。

KADOKAWA・DWANGOは書籍IP、情報メディア、映像IP、ポータル、ライブ、モバイル、ゲームの主要7事業から構成されている。このうち売上高が最も大きいのが書籍IPの175億1500万円である。単行本、新書、コミックのほか「BOOK☆WALKER」などの電子書籍も手がけている。売上高でこれに続くのが情報雑誌などの情報メディア事業の64億9100万円、さらに映像IPの57億9400万円が続く。KADOKAWA・DWANGOの事業の骨格が依然、出版事業・映像事業にあることが分かる。
しかし、利益でみるとこれが様変わりする。最も利益が大きいのは売上高23億1300万円のモバイル事業で9億5600万円、続いて売上高48億2200万円のポータル事業の6億1000万円になる。デジタル事業が利益率では、効率がよいようだ。

また書籍IP、情報メディア、映像IPとも、前四半期、前々四半期と比較して売上高は漸減傾向にある。これらはいずれも所属会社ではKADOKAWAでの事業になる。成長分野は電子書籍やデジタルメディアだが、これをみればデジタル事業を得意とするドワンゴとの経営統合は納得がいく。
しかし、そのドワンゴの事業も絶好調というわけでない。モバイル事業では課金ユーザーは漸減傾向が続き、売上高と利益が弱含んでいるのは書籍、情報メディア、映像と同様だ。ニコニコ超会議やニコファーレを運営するライブ事業は売上高を伸ばしているが、四半期で2億7100万円の損失と依然赤字部門である。ポータル事業も利益率は高いが、事業の拡大は止まっている。ドワンゴも現在、新たな事業展開が必要とされているわけだ。
3ヵ月間の業績による四半期決算ではあるが、今回の決算短信からはKADOKAWAとドワンゴの経営統合の背景も窺える。
[数土直志]