東映アニメーション通期決算減収増益 米国・中国など好調で海外比率上昇

5月14日、国内大手のアニメ製作会社東映アニメーションが、2015年3月期の決算発表をした。通期連結売上高は303億1300万円と前期比2.3%の減収となったが、4期連続で売上高300億円を上回り、堅調だ。
営業利益は39億9600万円(10.9%増)、経常利益39億7800万円(1.0%増)、当期純利益24億3700万円(4.5%増)。積極的な投資が続くが利益面も堅調だ。

一方で、収益の構成は大きく変動している。版権事業と商品販売事業は減収減益であったが、映像製作・販売事業が増収増益となった。映像製作・販売事業の売上高は141億5500万円(1.7%増)、セグメント利益が15億3100万円(194.2%増)である。
さらに映像製作・販売事業の中でも、劇場アニメ部門が大幅減少となる一方で、テレビアニメ部門が大きく伸びた。劇場アニメの売上げは11億5900万円(57。7%減)だった。大作映画の製作収入や『ドラボンボール 神と神』に相当するヒットがないことが響いた。テレビアニメは新作が6作品から9作品に増えたことから前期の31億400万円から40億4600万円(30.4%増)に拡大した。
さらに海外向け映像販売が好調だった。中国と北米向けには映像配信権が、アジア向けにテレビ放送権が好調だった。売上高は32億円から42億4000万円(32.1%増)に伸びた。

近年、東映アニメーションは積極的に海外事業を進めてきたが、2015年3月期は実際に売上、収益となり、それが表れた。海外版権事業も22億2000万円と前期比で39.3%増である。こちらは中国向けに販売した『ワンピース』や「ドラゴンボール」シリーズのアプリゲーム化権が好調だった。
東映アニメーション全体での海外事業売上高は68億2000万円、43.1%増である。これは同社の売上高の22%を占め、海外売上高比率は過去5年間で最高である。売上高のうち中国を含むアジアが最も大きく過去最高の37億9900万円、北米は前期比43.4%の12億8500万円、中南米は4億500万円と売上は小さいが伸率は116.9%と高い。
東映アニメーションがこれまで得意としてきたヨーロッパは13億300万円と売上は大きいが、18.2%減と唯一減収であった。同地域の経済停滞が影響していると見られる。

版権事業は売上高102億5000万円(2.3%減)、セグメント利益は41億400万円(4.5%減)である。作品は『ワンピース』と「プリキュア」シリーズの軟調が続いている。海外向けの版権事業の拡大がこれをカバーした。
商品販売事業は売上高46億2800万円(同15.1%減)、セグメント利益が1億3800万円(27.9%減)だ。『ワンピース』と「プリキュア」シリーズの店舗販売は好調だったが、催事向け商品や販促品の販売が減少した。

2016年3月期については、慎重な業績予想を立てている。売上高は275億円、営業利益は30億円、経常利益は32億円、当期純利益は19億円の減収減益を見通す。
東映アニメーションによれば、劇場アニメは公開・製作本数が減り、テレビアニメのラインナップも本数が減少するとしている。また遊技機向けの映像制作の受注が減少するとしている。一方で、中国向けの映像配信権の販売は拡大を見込む。2016年も引き続き中国事業は鍵になりそうだ。