上田早夕里「くさびらの道」にハリウッド映画化企画、米国VIZプロダクションが発表

『ゴジラ』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』など、日本のコンテツを原作とするハリウッド映画やテレビドラマが増えている。日本にはマンガやアニメ、ゲーム、小説と幅広いジャンルで独自の世界観を持つユニークな作品が多いことが理由だ。
そうしたなかでまたひとつ大きなプロジェクトが発表された。日本のSF作家・上田早夕里の短編小説『くさびらの道』のハリウッド映画企画が明らかになった。米国サンフランシスコに拠点を持つVIZ Mediaが2月12日に発表した。

VIZ Mediaは米国サンフランシスコに拠点を持つ、日本アニメ、マンガ関連事業を手掛ける北米最大の企業である。マンガ出版やアニメ・キャラクターのマネジメント、流通・販売を手掛けるほか、子会社VIZ Productionsで日本のコンテンツを基にした映画開発も手掛けている。
2014年にワーナー・ブライザース配給で全米公開された『オール・ユー・ニード・イズ・キル』をプロデュースしたほか、現在ハリウッド映画版『DEATH NOTE』の企画を進めている。また米国メディアで実写映画企画が報じられた『戦闘妖精・雪風』も同社が北米展開している。上田早夕里の『くさびらの道』もそうした作品のひとつになる。

上田早夕里は2003年に『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞したのを、きっかけにプロの道を歩むようになった。2011年に第32回日本SF大賞を受賞した『華竜の宮』などの代表作がある。
今回映画化を企画される『くさびらの道』は、2007年に刊行されたアンソロジー「異形コレクション 心霊理論」の中の一編だ。日本に蔓延した茸から広がる謎の奇病を中心にドラマが描かれるパンデミック小説になっている。小品ということもあり日本でも知る人ぞ知るだが、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や『戦闘妖精・雪風』の英語版を刊行するVIZ MediaのSF小説レーベル「ハイカソル(Haikasoru)」が2014年に発売した『PHANTASM JAPAN』に収録されている。隠れた傑作をピックアップするのは、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』と同様だ。

映画化にあたっては、ティム・バートン監督の『バットマン』の脚本・原案を務めたサム・ハムの脚本起用が決まっている。
またVIZ Productionsのジェイソン・ホッフスは、今回の企画において「上田早夕里は“キラービールス”のアイディアを肉体というよりも感情に働きかける脳内刺激に置き換える。」と『くさびらの道』を評する。映画の制作スケジュールや監督やキャストは発表されておらず、今後の企画の進展を期待することになる。

ハイカソル(Haikasoru)
http://www.haikasoru.com/