海外に挑戦する日本企業/2014年10大ニュース解説(4)

8. DAISUKI 新会社アニメコンソーシアムジャパンに統合 クールジャパン機構が出資

2012年にアサツーディ・ケイ(ADK)をはじめとする日本アニメ関連会社の共同出資で設立された日本アニメの海外向け動画配信サイトを運営するDAISUKIが2014年に新たな体制となった。バンダイナムコホールディングス、ADK、アニプレックスが株式会社アニメコンソーシアムジャパンを設立、これと事業統合する。さらに統合会社にクールジャパン機構が10億円を出資する。
DAISUKIの配信事業が円滑に進まないなかで、国から支援も得るかたちで事業のテコ入れを図る。ECサイトも組み合わせることで、2015年4月から事業を本格稼働する。日本アニメの正解版動画配信ニーズは高まっており、今後の展開が期待される。

動画配信では正規版の配信が進む一方で、依然、ネット上の日本アニメ・マンガの海賊版被害が深刻だ。2014年には、2013年に設立されたマンガ・アニメ海賊版対策協議会が本格的に動き出した。7月以降、業界で団結した集中的な海賊版削除を実施した。
正規配信と違法動画の削除は同時に展開することが重要とされている。しかし、中国では2015年4月より海外テレビ番組の動画配信に審査制導入を発表している。今後円滑な中国向けのアニメ配信が進まなくなる可能性が懸念されている。2015年の大きな課題だ。

9. ポニーキャニオン、ドラえもん、グッドスマイルカンパニー進出 再び注目される北米市場

2014年は、日本アニメ関連企業の新たな海外展開が相次いで発表された。とりわけ世界最大のエンタテイメント市場である北米が注目を浴びた。日本の映像ソフトメーカーの大手ポニーキャニオンがアニメで北米直接進出することを明らかにした。映像メーカーの北米進出は、2010年のアニプレックスUSA以来である。同社の成功から影響を受けたとみられる。
一方、作品ではテレビ朝日が『ドラえもん』、バンダイナムコゲームスが『パックワールド』を米国の大手テレビ放送し、関連ビジネスを展開する。アニメ制作ではマーザ・アニメーションプラネットが現地子会社MARZA USAを設立、グッドスマイルカンパニーはホビー商品の流通・プロモーション会社ULTRA TOKYO CONNECTIONを設立した。
結局は実現しなかったが、ソフトバンクによるドリームワークス・アニメーションの買収交渉も大きなニュースとなった。その後、ソフトバンクはハリウッド版『ゴジラ』の制作会社レジェンダリー・ピクチャーズに出資を行った。日本企業がハリウッドビジネスで久々に存在感を示した。

10. アニメ制作会社で新社長就任が相次ぐ

2014年は、アニメ関連企業のトップ交代が重なった年となった。アニメ制作会社では、サンライズの新社長に宮河恭夫氏が就任した。またトムス・エンタテイメントでは岡村秀樹氏がセガ社長に就任し、新社長に鈴木義治氏が就任した。
またタツノコプロは日本テレビ放送網出身の桑原勇蔵氏が代表取締役に就任、マッドハウスではやはり日本テレビ出身の髙橋正弘氏が社長についている。
映像ソフトメーカーではアニプレックスの代表取締役社長に子会社A-1 Pictures社長の植田益朗氏が就任した。植田益朗氏はA-1 Pictures社長も兼任する。
4月にはエイベックスがアニメ映像事業を集約するエイベックス・ピクチャーズを設立した。こちらは社長にエイベックスGH代表取締役CFOの竹内成和氏、アニメ制作取締役本部長に勝股英夫氏が就任した。
[数土直志]