ADKからフジテレビ、日本テレビ、KADOKAWA・DOWANGOまで/2014年10大ニュース解説(3)

4.  アサツーディ・ケイ d-rightを子会社化

アニメを得意とするアサツーディ・ケイ(ADK)は、三菱商事の子会社であるディーライツの株式の51%を取得した。海外へのアニメやキャラクターの販売ネットワークを持つディーライツの強みに目をつけた。キッズからマニアまで幅広いアニメの製作に参加する同社は、豊富なコンテンツの海外展開に取り組む。ADKはアニメコンソーシアムジャパンに統合されたDAISUKIを通じて海外向けのアニメ配信にも参加する。海外事業の取り組みに積極的だ。
またアニメのエージェント、企画・製作の創通も海外を重視する。同社が香港で運営するC3香港は2014年に来場者数が過去最高の18万人を超えた。現在数パーセントの海外売上高比率を10%まで拡大する方針である。広告代理店の海外コンテンツビジネスは今後も拡大しそうだ。

5. 妖怪ウォッチが一大ブーム

レベルファイブが開発発売した『妖怪ウォッチ』が、2014年に一大ブームを巻き起こした。ゲームの発売は2013年7月だが、2014年1月からのテレビ放送開始で火がついた。
バンダイの発売する関連商品妖怪メダルは品薄となり、12月に公開された劇場映画は邦画史上最高のスタート切るなど様々な話題を呼んでいる。ゲーム、アニメ、玩具、マンガなどを同時展開するメディアミックス戦略の強さを発揮した。

6. フジテレビ アニメ開発部の新たな動き/日本テレビ タツノコプロ子会社化

2014年は大手テレビ局とアニメの新たな関わりが見えてきた年であった。もともとキッズ向アニメを得意としたフジテレビは2013年にアニメ開発部を設置、キッズ以外のアニメ開発に取り組む。
2014年には『ジョジョの奇妙な冒険』のアニメ制作で知られるデイヴィッドプロダクションを買収し、アニメ制作子会社を持つことになった。さらにテレビアニメシリーズ『信長協奏曲』の社内制作、“ノイタミナ”ブランドを通じたコアファン向けの劇場アニメに乗り出す。

一方日本テレビはアニメ制作子会社マッドハウスに加えて、2014年に新たにタツノコプロを子会社とした。タツノコプロの持つ豊富な原作の活用を視野に置く。
さらに動画配信の大手Huluも買収、子会社化している。テレビ局が自ら大手の動画配信サイトを運営する。
もともとアニメ分野で強みを発揮してきたテレビ東京は、海外共同製作などさらにビジネスを深化させている。多チャンネル化、視聴率低下で今後厳しい局面を迎える放送局は、収益の多角化の一環として、さらにアニメへの可能性に投資することになる。

7. KADOKAWAとドワンゴが経営統合、KADOKAWA・DWANGO誕生

動画配信では、アニメファンにも人気の高いniconicoを運営するドワンゴと出版・映像の大手KADOKAWAの経営統合も大きなニュースである。10月1日に持株会社KADOKAWA・DWANGOが設立された。
アニメ、映画、小説、ライトノベル、マンガ、雑誌、ゲームなど豊富なコンテンツを持つKADOKAWAがコンテンツ配信の大手プラットフォームとつながる。持株会社の会長川上量生氏は、スタジオジブリに所属、「エヴァンゲリオン」シリーズのカラーの取締役でもあり、アニメ関係者にも無関心でいられない。
[数土直志]