海外マンガ配信 「LINE マンガ」で講談社・小学館がグローバル展開

日本を代表する出版社2社、講談社と小学館が、ソーシャルコミュニケーションアプリ「LINE」を通じて日本のマンガを海外発信する。講談社、小学館、株式会社LINE、そして電子書籍取次のメディアドゥの4社が、合弁事業会社LINE Book Distribution 株式会社を設立した。
LINE Book Distributionは、デジタルコンテンツプラットフォームとしてのLINEの機能を活用して英語と中国語(繁体字)の双方で海外向けにマンガサ配信サービスを行う。2014年中にサービス提供の開始を予定する。

新会社は資本金3億円、LINEのほか講談社、小学館、メディアドゥが出資する。出資比率の発表はないが、LINEの連結子会社となるとしている。代表取締役にはLINEの上級執行役員の舛田淳氏が就任、本社もLINEが拠点を構える東京都渋谷区のヒカリエに置かれる。
一方で、取締役には、小学館からは取締役デジタル事業局担当の大西豊氏、講談社からは国際事業局長兼デジタルビジネス局長の吉羽治氏、メディアドゥからは取締役・事業統括本部長の溝口敦氏も加わる。資本提携も含めた新規事業は、各社が本事業に積極的に取り組み意志が表れたものでもある。

今回の新会社設立は、LINEが2013年にスタートした「LINE マンガ」の経験を海外に広げるものである。「LINE マンガ」はコミュニケーションツールのLINEと連動することで、ユーザー間のコミュニケーションを活性化し、スマートフォン向け電子コミックプラットフォームとして人気となっている。
LINEは日本だけでなく海外でも広く利用されており、日本国内でのノウハウを海外向けにも展開するとのプロジェクトだ。日本から直接海外に、正規のマンガ作品を送り届けることになる。

海外では日本のアニメ、マンガが高い人気を博している。アニメ分野では近年、海外向けの正規のコンテンツ配信が広がっているが、マンガではデジタル版の配信インフラ構築が遅れている。とりわけ2013年5月のデジタルコミック協議会の支援を受けたJManga事業終了後は、日本発のマンガプラットフォームは停滞が続いている。こうしたことがインターネット上の違法なアップロードを拡大しているとの指摘も多い。
一方、国内のマンガ市場が頭打ちになるなかで、出版各社は海外進出に積極的だ。講談社と小学館と大手出版社がいち早く「LINE マンガ」グローバル版に乗りだすのにもそうした背景があるだろう。
人気タイトルを多数抱える両社との事業、そして作品が、LINEにとってはキラーコンテツになる。「LINE マンガ」グローバル版が日本マンガの海外展開の切り札になるのか、今後の動きが注目される。