米国カートゥーンネットワーク Adult Swim枠拡大 ヤングアダルト向け重視

米国の大手アニメーションチャンネルであるカートゥーンネットワーク(CN)が、この春より番組編成改革に乗り出す。カートゥーンネットワークは、現在ひとつのチャンネルを子供向けの“カートゥーンネットワーク”とヤングアダルト向けの“Adult Swim”のふたつで分け合っている。この放送枠の配分を見直す。
2014年3月31日より、Adult Swimの放送開始時間を繰り上げて、毎日20時から翌朝6時までとする。従来の21時時より一時間早くなる。

これはAdult Swimの人気と視聴率が高いことが理由だ。CNによれば、Adult Swimは18歳から34歳の層で9年連続でもっとも視聴されたケーブル局だという。放送時間を拡大することで、この強みを活かす。
Adult Swimは、2001年に週2日各3時間の合計毎週6時間の放送でスタートした。その後、2003年に週5日(合計15時間)に、2005年には42時間に、2009年には56時間に拡大した。今回の決定でさらに7時間が加わる。
Adult Swimには実写番組もあるが、『Robot Chicken』、『Aqua Teen Hunger Force』などのヒットアニメーションも多い。Adult Swimの成長は、米国における大人向けのアニメーションの拡大とも無縁でない。

また、Adult Swimは、日本アニメとも関係が深い。日本アニメの大量放送が、初期の成長に大きな役割を果たしたからだ。
2000年代半ば以降、日本アニメの放送は急激に減少したが、チャンネルの拡大と伴に近年はまた新しい変化も起きている。2012年より土曜日深夜から6時間の「Toonami」枠をスタート、大半のプログラムを日本アニメとしている。新作の購入も再び行うようになり、現在、米国の大手放送局で日本の深夜アニメの放送があるほとんど唯一の存在だ。また、今年1月からは新作『スペース☆ダンディ』の放送開始に合わせて、放送枠を30分繰り上げて6時間半に広げた。

一方で、CNはキッズ向けのカートゥーンネットワークを軽視しているわけでない。その主戦場はネットになる。自局制作のアニメーション番組、ゲーム番組のデジタルメディアでの配信に力をいれる。オリジナルコンテンツをCartoonNetwork.comに投入、さらに第二のデジタルプラットフォームも視野に入れる。
これについてCNは、子どもたちのエンタテイメントはテレビからデジタルデバイスに急激にシフトしているためと説明する。

さらに大きな変化は、同社が運営するもうひとつのチャンネルBoomerangだ。BoomerangはCNが保有するハンナ・バーベラやMGM、ワーナーブラザースの新旧作アニメーションを中心に放映、ファミリー・キッズをターゲットとする。米国内では年内に広告営業をスタート、より強力なチャンネルに育て上げる。さらにBoomerangの世界展開も始める。
カートゥーンネットワークのライバルであるディズニーチャンネルやニコロデオンは、現在、視聴ターゲットごとに複数チャンネルを運用している。一方、CNは、ひとつのチャンネルで、キッズ向けとヤングアダルト向けを運営することが弱点となっていた。
Boomerangが今後成長すれば、ヤングアダルトからさらに上の世代に向けたAdult Swimと、男児向けのカートゥーンネットワーク、ファミリー・キッズ向けのBoomerangといった棲み分けも可能になる。
[数土直志]