電通、博報堂が相次いでクールジャパン支援の専門チーム設立 企業向けサービスを展開

日本の魅力を打ち出したコンテンツ、クリエイティブ、サービスの海外展開を支援する株式会社海外需要開拓支援機構(クール・ジャパン推進機構)が11月8日に発足、11月25日に営業を開始する。スタート時には政府出資300億円に加えて、民間企業15社が計75億円を出資する。出資金は官民375億円、さらに今年度末まで政府出資を500億円、民間出資を含め600億円まで拡大する大型プロジェクトだ。
国の出資が大きくなったのは、国がリスクマネーを供給することで民間投資の呼び水とし、事業の活性化を目指すためだ。機構は主に生活文化の特色を生かした商品やサービスの海外事業展開を狙う幅広い企業を支援する。

気になる出資プロジェクトの中身は、現在は具体的な案件は挙がっていない。営業開始後に、取り組むことになりそうだ。
一方で、民間出資の15社の事業から、今後の方向性の一端が窺える。エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急・阪神)と三越伊勢丹ホールディング、高島屋の参加からは、流通小売りがプロジェクトのひとつの核になることが分かる。凸版印刷、大日本印刷は出版関連、電子書籍も視野に入っていそうだ。LIXILグループは住、ANAホールディングスは旅行、バンダイナムコホールディングスはコンテンツ、玩具と考えていいだろう。
このほか金融機関の4社、みずほ銀行、三井住友信託銀行、商工組合中央金庫、大和証券はファイナンス部門で支援となりそうだ。
こうした多様な企業をとりまとめる役割として、期待されているのが、やはりクール・ジャパン推進機構に出資を決めた博報堂DYグループと電通の広告代理店になりそうだ。広告や大型プロジェクトを通じた多くの企業とつながりが、コーディネーターとしての力を発揮する。実際に、両社は相次いで社内にクール・ジャパンプロジェクトの取り組み部署を設置した。

電通は11月、社内に全社横断プロジェクト「チーム・クールジャパン」を始動させた。クール・ジャパン関連事業の支援の強化を目指す。
1)「農業」「教育」「科学・技術」「ヘルスケア」「インフラ」といった国家戦略分野における事業構築や商品・サービス開発とメディア・コンテンツ企業との連携を目指す大教支援、2)情報交換の構築や知見・ノウハウ・技術、新しいマーケティング・サービスの提供などの小企業支援、3)コンテンツの開拓や開発によるメディア・コンテンツ企業支援の3つを掲げる。

一方、博報堂は、11月1日付でクール・ジャパン推進室を設立した。日本の文化産業・コンテンツの海外における需要の開拓のための体制を強化するという。商業拠点や情報発信基盤などのビジネスプラットフォームの創発や専門知識・ノウハウの提供、現地プレーヤーとのマッチングなどの支援が行う。
クール・ジャパン推進室と博報堂DYメディアパートナーズの関連組織との連携も強化し、クール・ジャパン関連の社内外の情報収集一元化も行う。

クールジャパン戦略は、単独で海外進出するには体力が弱いコンテンツ・クリエティブ産業を、より大きな事業規模を持つ、生活関連、流通、製造業と結びつけるとのアイディアも基盤にある。海外進出はオールジャパンであたるというものだ。
国、金融機関、広告代理店、メーカー、流通業を巻き込んだクール・ジャパン推進機構の行方が、今後、国内外の注目を浴びそうだ。