東京国際映画祭で披露、名作アニメーションのデジタル復元にイマジカなどの技術力

10月19日、第26回東京国際映画祭において、「日本アニメーションの先駆者(パイオニア)たち~デジタル復元された名作」と題した特別上映が行われた。この企画はいまから50年以上も前の日本の初期アニメーションの作品を劇場で紹介するものだ。
1943年の『くもとちゅうりっぷ』、1953年の『くじら(KUJIRA)』、そして1961年の『幽霊船(YUUREI SEN)』が上映された。いずれも日本のアニメーション史で重要な位置を占める傑作である。

過去のアニメーション映画を観る時に、作品の保存状態が問題になることが多い。作品が現存するのかどうか、それが映像として劣化していないかなどは、実写映画とも共通する課題である。
今回の上映は、実はそうした過去の作品のアーカイブプロジェクト化の成果によって実現した。上映された3作品はいずれも、デジタル復元によって復活した映像である。

デジタル復元は、東京国立近代美術館フィルムセンターが、松竹の協力を得てしたものである。修復された完成データは長期保存を実現するため富士フイルムのETERNA-RDSを用い、IMAGICAウェストでレコーディングした。3本の白黒ネガから中間素材を通さず、ダイレクトに35mmプリントに焼付ける方法でプリント作成を行った。これが映画祭での35㎜プリントでの上映につながっている。
また作品の復元作業は、制作に用いられた色セロファンの現物や制作の装置の情報といった残された手がかりをもとに行われた。素材感やコマ撮りの雰囲気を損なうことなく、鮮やかな色彩空間を復元することに注意を払ったという。
さらに単純に映像の瑕疵を取り除くのではなく、制作過程の中で残すべき価値のある情報については除去しないようにしている。文化的価値の高い映像遺産への挑戦となっている。

第26回東京国際映画祭
http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/