「キックハート」、プロダクションI.GがBlu‐ray商品を自社発売

(c)2012 湯浅政明・Production I.G
(c)2012 湯浅政明・Production I.G

湯浅政明監督の『キックハート』は、話題の多い作品だ。制作中からクラウドファンディングのKickstaterで資金支援を呼びかけて、新作短編アニメとしては異例のファンから直接、資金を集めることに成功した。その金額は20万ドルを超えた。
製作は大手アニメスタジオのプロダクション I.G、湯浅監督は文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞を2度受賞するほど実力に定評がある。それがあえて日本のアニメとしては初の本格的なクラウドディングを活用に乗り出した。これで作品はいっきに知名度をあげ、大きな成功を収めた。

完成した作品は、世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーションフェスティバル短編部門のコンペティション、オタワ国際アニメーション映画祭短編部門でノミネートされる。先日カナダで開催されたファンタジア国際映画祭では、ついに短編アニメーション賞を受賞している。その映像も高く評価されたかたちだ。

その『キックハート』がまた新たな話題を提供する。Blu-ray Discの発売である。プロダクション I.Gは、本作のBDを2013年12月27日にリリースすることを明らかにした。発売、販売ともプロダクション I.Gが、直接行う。
製作委員会を中心に分業が進む現在のアニメ業界では、作品のDVD、BDは、映像・音楽ソフトメーカーが手掛けることが多い。アニメ制作会社から自ら行うことは少ない。
今回は『キックハート』の製作を、クラウドファンディングも含めてプロダクション I.Gがほぼ自社で行ったことから可能になったとみられる。また、これまでと違う成立をした作品だけに、映像ソフトについても新しい試みを取り入れる狙いがありそうだ。

BDの商品構成も面白い。作品本編は長さ12分に過ぎない。それに約48分もの特典映像が盛り込まれる。BDにはメイキング映像26分、それにプロダクションI.Gと湯浅監督が手がけた幻の作品『なんちゃってバンパイヤン』がDVDで収録される。
ブックレット、描き下ろしジャケットもあり、さらなる企画も検討中とのことだ。これだけ詰め込んで、税込1575円と手頃な価格も野心的である。リージョンコードはフリーのため、どの地域でも視聴できるなど、細かな部分で工夫をこらす。
『キックハート』は、決して大きな作品ではない。しかし、今後のアニメ製作を考えるうえで、その存在感は格別に大きい。

『キックハート』
http://www.production-ig.co.jp/works/kickheart
twitter (英語) @kick_heart
Facebook(英語) Kick-Heart