GyaOとグリー アニメコンテンツ投資を目指す 株式会社アニマティック設立

インターネットの大手とモバイルの大手が、アニメコンテンツの投資で手を結ぶ。ヤフーの子会社で動画配信事業のGyaOとモバイルコンテンツ事業のグリーは、2013年5月31日、アニメコンテンツへの投資を掲げた株式会社アニマティックを設立した。
新会社は今年2月25日に発表されていたもので、当初は「フューチャーコンテンツパートナーズ株式会社(仮称)」としていたが、設立にあたっては「株式会社アニマティック」に変更された。同社によれば「アニマティック(AnimatiC)」は、「Animation」と「Systematic」を合せた造語で、ITの最先端企業2社の新しいアニメを創出したいとの想いが込められている。
資本金は1億円、GyaOとグリーが50%ずつ出資する。代表取締役社長にはGyaOから旦悠輔氏が就任した。

アニマティックは主要事業として、アニメの製作委員会などに対する投資、そしてコンテンツのライセンス獲得と管理を掲げている。アニメの企画や制作を行うのでなく、製作委員会のメンバーとしてのアニメ製作への出資を念頭に置いている。
アニメの製作員会は、テレビ放送やビデオグラムの発売、音楽、玩具、商品展開、海外展開など作品を活用した事業をする複数の企業が共同出資する組織である。作品ごとのプロジェクトを運営する母体の色合いが濃い。
近年、アニメビジネスの展開では、動画配信やソーシャルゲームも重要分野となっている。動画配信会社や、モバイル企業が製作委員会に出資するケースも増えている。
アニマティックは、GyaOとグリーがより本格的にアニメ製作に関わり、そのための積極投資をする中核となる。また、投資目的の別会社設立は、リスクビジネスであるコンテンツ投資を切り離すことで、その収益を明確化する狙いもあると見られる。

製作委員会の出資で得られるのは、GyaO!とグリー、それぞれのビジネスでの最新アニメ作品の活用だ。GyaO!は、勿論インターネットやモバイル向けの動画配信での活用があるだろう。さらに、その集客力を活したアニメコンテンツのハブ機能に進めることも可能だ。すでに2013年秋には、出資作品を中心としたスマートフォン向けのアニメ情報提供サービスを目指している。
一方、グリーにとっては、出資アニメ作品を題材としたソーシャルゲーム展開、さらにそこから先に進んだトレーディングカードゲームも視野に入る。GyaO!がネット・モバイル上の映像ビジネスが主であるのに対して、ゲームを中心とした作品の二次展開に比重が置かれる。

GyaO!とグリー、それぞれの企業がアニメ製作出資に進出する目的は明確であるが、逆に両社が共同で出資する理由はやや曖昧だ。インターネットとモバイルの組み合わせと言えば分りやすいが、GyaO!は映像ビジネスそのもの、グリーは二次展開と主目的が異なっている。
可能性が一番高いのは、モバイルをベースにしたアニメのプラットフォームの構築、同じプラットフォームにアニメ動画とゲームの双方のコンテンツが提供されることだ。そこには新しいビジネスチャンスがありそうだ。今後、アニマティックがどこに向かうのか、アニメ業界、そしてIT業界も目を離せない。
[数土直志]

アニマティック
http://www.animatic.jp/
GyaO
http://gyao.yahoo.co.jp/
グリー
http://corp.gree.net/jp/